労務・勤怠・給与を"まるごとSmartHR"へ。「当たり前」だった非効率が変わった現場
| 社名 | きくぞのケアパーク株式会社 |
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課題
- 勤怠と給与でシステムが分かれ、情報も作業も分断していた
- 雇用契約書の印刷・署名・回収など、紙前提の運用が日常だった
- 給与計算は特定のパソコンでしか使えず、属人化に課題感
解決策
- 労務管理・文書配付から始め、職員の情報をSmartHRに集約
- 操作動画を共有し、忙しい現場も使いやすい環境を整備
- 勤怠管理・給与計算へ拡大し、入社から一気通貫の運用に
効果
- 入社手続きや雇用契約書、電子申請がスムーズになり負担軽減
- 勤怠確認がしやすくなり、担当者5人→3人でも回る体制に
- 労務業務をクラウド化し、BCP(事業継続計画)対応も前進
愛媛県宇和島市を拠点に、介護事業と児童・障害福祉事業を展開する、きくぞのケアパーク。
多拠点・多職種・多様な雇用形態の職員を支える総務部では、2025年4月にSmartHRの人事・労務エッセンシャルプランの利用を開始。その後、2026年1月に勤怠管理、2026年4月に給与計算へと、活用範囲を広げています。
それまでは「当たり前」だと思ってやっていた作業が、SmartHRを使い始めたことで「こんなに楽にできるんだ」と気づいたという同社。SmartHRへ業務を「まとめる」ことで、どのような変化が生まれたのでしょうか。
代表取締役の阿部さん、総務部の大久保さん、同部門で労務を担当する山本さん、猪野木さんにお話を伺いました。
当たり前だと思っていた紙、二重の手入力、目視確認
SmartHR導入前、人事労務業務にはどのような課題がありましたか。
大久保さん:課題の1つとしては、同じ情報を複数のシステムへ入力する必要があり、手間がかかっていました。たとえば、新しく入社される方がいた場合、まずは履歴書などを目視で確認しながら勤怠システムへ登録し、その次に、同じ情報を給与システムへ登録していました。
システム同士が連携していなかったので、それぞれに手作業で登録する必要がありました。
山本さん:思い返すと、労務担当者として「それが当たり前だと思っていた」というほうが、当時の状況を正しく表しているかもしれません。
今でこそ、「そんな非効率は改善しなければ」と思えるのですが、当時は自分たちのやっていたことが当たり前すぎて、「今なにが非効率で、どう改善したらよいのか」が想像もつかなかったです。
阿部さん:経営側としても、「こうしてほしい」という訴えが現場から届いていたわけではなかったので、明確に言語化はできていませんでした。
ただ、経営者として「業務の効率を上げていかねばならない」ということは常に考えていましたので、「そろそろ、何か手を打つべきではないか」という課題感が、スタート地点だったと思います。
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紙による運用について、当時の状況を教えてください。
大久保さん:たとえば年末調整の場合、紙で配付し、職員に案内、回収したあとに、問い合わせが来たり修正が必要な場合には、電話で個別にやり取りしていました。
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山本さん:ご利用者様がいらっしゃる日中は、職員も動き回っているので、電話をかけてもすぐにつながるとは限りません。折り返しの電話まで時間が空くことも多かったので、「あれ、この人には何の件で電話したんだっけ」と思い出さなければならないこともありました。
阿部さん:雇用契約書も当時は紙で、割印をしていましたよね。
山本さん: たしかにそうでしたね。当時は、雇用契約書を2枚用意して社長印を割印していました。遠い事業所だと1時間半かけてもっていき、内容を説明し、署名と捺印をいただいて、また1時間半かけて戻ってくる。それをスキャンして保存し、原本もファイリングして保管していました。今から考えると、とても手間をかけていた気がします。

「もっとよくなるはず」という機運と、現場での使いやすさへの期待
SmartHR導入のきっかけは何だったのでしょうか。
阿部さん:先ほども述べたように、経営者として「何か打ち手を打つべきではないか」という思いはずっとありました。
実際に動き出した最初のきっかけは、長年お付き合いのある取引先からSmartHRを紹介されたことです。その信頼感から、最初のハードルが低くなったところはありました。
他方で、以前から課題に感じていたのは、労務業務の属人化です。
労務は給料、すなわち、職員一人ひとりの生活に関わるものです。たとえば、給与計算の担当者が長期的に出社できない状況になってしまったら、職員の生活に支障が生じかねません。
コロナ禍では、濃厚接触者になった職員が出社できない、という状況もたびたび起こりました。また、地域特有の自然災害リスクに対しても、職員が安心して働ける環境を整えることが重要だと考えていました。万が一の事態が起きても、組織として迅速に対応できる『強い体制づくり』が必要だったのです。
そうした観点から、労務業務のBCP(事業継続計画)対応をこのタイミングで進めていくべきと判断し、導入を決めました。
ほかのシステムも検討されたそうですが、SmartHRを選んだ理由は何でしたか。
大久保さん:職員に使ってもらって、不明点があった場合に、その問い合わせが私たち総務部へくることになります。
もしも、わかりづらいシステムを使った場合には、その問い合わせの対応に、かえって総務部の工数が増えてしまうのではないか、と社長の阿部は危惧しておりました。
阿部さん:そのため、見た目での使いやすさ、すなわちUIの良さは重視した点の1つでした。
また、勤怠管理を追加導入する際は、他社の複数のシステムと比較検討しました。介護・福祉業界の場合、人員配置基準や加配を意識しながらシフトを組み、給与を計算するため、運用は複雑になりがちです。その部分の機能は、他社のほうが秀でているものもありました。
ただ、労務管理の部分ですでにSmartHRの使いやすさを実感していたこと。そして、導入済みの労務管理の部分とセットで考えたときに、勤怠管理単体での機能差よりも、1つにまとまることの利便性のほうが勝ると考えて、まるごとSmartHRにまとめていく方針を固めました。
現場が迷わず使えるよう、動画でわかりやすく周知
勤怠管理を導入されたあと、社内へ展開する際に、動画も活用されたと伺いました。
大久保さん:先ほども述べたように、問い合わせ対応の工数を増やさないために何ができるかを考えていたときに、社長から「目で見てわかるように、スマホの操作画面を実際に録画し、解説動画を作ったらどうか」という提案をいただきました。
阿部さん:現場の仕事は時間に追われていますし、SmartHRを理解するにはその隙間の時間で対応しなければなりません。
実は、社内では総務部の評判がとても良くて、「困ったときに親身に助けてくれるので、よくわからないことは、とりあえず総務へ電話して聞いている」という声を耳にしていました。
それ自体はとてもよいことですが、効率化を目指して新しいツールを導入したのに、それで問い合わせが増えてしまい時間を奪われるのでは、本末転倒になってしまいます。
動画を用意しておけば、総務としても「あの動画を見てもらえたらわかりますよ」と伝えられます。それでも、どうしてもわからなければ総務へ問い合わせてもらう、というステップを踏むことで、職員にとっても、総務部にとっても、よい状態を作れるのではと考えました。
山本さん:実際に動画を活用してみて、問い合わせはほぼ発生していません。勤怠に関しては、個別の事情で特殊なケースがあった場合に問い合わせが来ますが、その数も多くはないです。
大久保さん:ほかには、SmartHRの機能アップデートがあった際に少し問い合わせがくるくらいですね。ですので、動画を用意した効果は十分にあったと思います。
労務、勤怠、給与計算をまるごとSmartHRにしたことで実感した使い勝手
SmartHRの活用範囲を、実際にはどのように広げていかれたのか教えてください。
猪野木さん:まずは文書配付を活用した、入社手続きで使う書類のペーパーレス化からスタートしました。
新入社員の入社時の業務としては、まず履歴書をスキャンしてSmartHRへ読み込み、雇用契約書を作成し、新入社員への送付、署名までSmartHR上で完結できるようにしました。年金事務所への社会保険関連の申請も、SmartHRから電子申請で実施しています。
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——労務・勤怠・給与計算が1つにまとまることで、どのような変化がありましたか。
山本さん:ひと言でいうなら「すべてが変わった」ですね。
入社が決まり、社長に雇用条件などを確認してSmartHRへ入力する。入力した職員の情報をSmartHR上で社長に確認してもらい、OKが出ればそのまま雇用契約書の作成に進みます。勤怠・給与機能それぞれにも情報が反映され、社会保険の手続きまでつながります
SmartHRが入口になり、そこからつながっている部分がすべて変わったのです。
そのほかにも、入社手続きでは、以前は履歴書の情報をシステムへ手入力していたので、手間もかかりましたし、打ち間違いが発生することもありました。
SmartHRなら、履歴書をスキャンして直接情報を取り込めますし、ご本人に直接入力・修正してもらえる仕組みもありますので、ケアレスミスによる間違いがグッと少なくなりました。

大久保さん:少し細かい数字ですが、入社時のデータ登録は従来の10分から5分へ、雇用契約書の作成は10分から3分へ、そして、社会保険の加入手続きは30分から5分へ、それぞれ短縮できました。
また、入社手続き時のペーパーレス化の効果としては、従来は紙の書類で20枚あったものが、現在は5枚まで削減できました。雇用契約の締結も、2時間ほどかかっていたものが、電子契約で済ませられるようになり、5分程度まで大幅に圧縮できました。
山本さん:勤怠管理では、以前は5人がかりで対応していた作業を、今では3人でも十分になりました。
かつては、各事業所から集めた200名超のタイムカードのチェック・集計作業にかなり時間がかかっていました。タイムカードに手書きで補足事項が書いてあり、それを読み解いてシステムへ手で入力する、といったことも必要でした。
それが、SmartHRでは職員が打刻した時間が自動で集計されますし、不足時間もアラートが表示されますので、とても便利です。
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大久保さん:勤怠管理から給与計算への接続部分では、SmartHRによりシステムがクラウド化されたことでの効果もありました。
以前のシステムは、インストールされている1台のパソコンでしか使えませんでしたので、まず自分の手元で給与計算に必要な情報を取りまとめ、それを給与計算用のパソコンにもっていって給与計算をする、という流れでした。
SmartHRなら各自のパソコンでそのまま給与計算の作業が進められるので、とても便利です。
給与計算について、御社ならではのの複雑さがあるとお伺いしましたが、実際にはいかがでしたか。
山本さん:その点では、SmartHRのエキスパートパートナーによる設定代行に、とても助けていただきました。
弊社の場合、訪問介護事業所の登録ヘルパーさんだけ、給与締め日と支給日が他職員と異なり、かつ従事する業務内容(生活援助・身体介護)や時間帯によって時給が変わる等、細かく給与計算の設定をしていました。
大久保さん:最初は、社外の人に支援してもらうより、これまでのシステムを知っている自分たちで設定したほうがよいと考えていました。
実際に支援いただいたところ、こちらの意図をよく理解して、複雑な計算式をいとも簡単に設定してくださり、とても感動しました。
給与計算の導入時に3か月間、支援に入っていただいたのですが、もしそれがなかったら、立ち上がりはかなり遅くなっていたと思います。本当に感謝しています。
職員の生活に直結する労務業務をクラウド化し、BCP対応も前進
BCPの観点で、SmartHRをどのように評価されていますか。
阿部さん:労務業務がクラウド化され、インターネットがあってIDとパスワードさえわかればどこからでもアクセスができるのは、大きな変化だと考えています。
先ほど大久保が述べたように、以前は給与を計算できるパソコンが物理的に限定されていました。私たちは日頃から防災意識を高く持っていますが、もし大地震などの自然災害によって、オフィスのパソコンが物理的に稼働できなくなった場合、職員の生活に直結する給与計算が滞ってしまうリスクがありました。
その点で、SmartHRによってクラウド化されたことで、もし何らかの災害が起こったとしても、職員の無事さえ確保できれば、いつでも・どこからでも速やかにリカバリーできる「安心の体制」ができたと思います。
パソコンの問題だけではなく、「紙で運用しているので、表計算ソフトがないと計算できません、あのチェックリストがないと処理が進みません」といった状況は、BCP対応上の大きなリスクです。その対応として、ペーパーレス化やクラウド化は重要だと考えています。
できることが増えたからこそ、改善したいことも増えていく
今後、SmartHRをどのように活用していきたいですか。
大久保さん:今はまだ、「SmartHRを使いこなす」ことで精一杯ですが、いろいろとやりたいことのアイデアは浮かんでいます。
以前のシステムでは、たとえ「こうしたい」と思っても、システム上の制約でできないことが多くて、やる前から諦めてしまっていました。その点で、SmartHRはいくらでもカスタマイズができるので、やりたいことが増えましたね。
山本さん:SmartHRのことを知れば知るほど、「こうしたらもっと良くなるのではないか」という気づきが生まれるんです。業務は効率化されたのですが、それで暇になったというよりは、「あれもしたい、これもしたい」という思いがふつふつと湧いてくる感じですね。
阿部さん:経営側としては、現在SmartHRを活用している労務管理や勤怠管理が、将来的に、人事評価などのタレントマネジメントの領域へつなげられることに期待感をもっています。
SmartHRを見れば、社内での職歴がわかり、給与もわかり、評価もわかる。それらの情報を通して、職員一人ひとりのことがより立体的に見えるようになり、より精度の高い人事評価へと結びついていくと考えています。
介護・福祉の業界は、他業界と比べて、ライフステージの変化やキャリアアップに伴い、多様な働き方を選択する職員が多い特徴があります。それと同時に、国の定める配置基準や制度に基づいた事業であるため、一人ひとりの勤務形態に合わせた、正確な『人』の管理が求められます。
これからの時代、その管理をアナログだけで対応するのはなかなか大変ではないでしょうか。SmartHRのようなシステムを活用していくことの重要性は、今後より高まっていくのではないかと思いますね。
労務管理から勤怠管理、給与計算までを“まるごと"SmartHRにまとめることが、きくぞのケアパークさまの日々の業務効率化や、職員のみなさまの生活を支える体制づくりの一助となれていることを大変嬉しく思います。貴重なお話、ありがとうございました!
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掲載内容は取材当時のものです。
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