給与明細配付を3日からゼロへ。2.8万人の「現場が使いやすい」が労務DX成功の鍵
| 社名 | オーケー株式会社 |
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課題
- 2.8万人規模への拡大で、アナログ労務管理が現場・本部の負担に
- デジタル習熟度・言語を問わず全スタッフが使えるITツールが必要に
- 事務対応に追われ、業務標準化や成長基盤づくりに着手できなかった
解決策
- スマホで直感的に操作でき、多言語対応のSmartHRを全従業員へ導入
- 給与明細・入退社手続き・年末調整のペーパーレス化から段階的に着手
- 従業員データを一元管理する基盤として、タレントマネジメント領域へ拡張
効果
- 給与明細配付作業が3日からゼロ日に。入社書類も約3分の1に圧縮
- 外国籍スタッフは言語切り替えで自走、シニア層も現場で教え合い定着
- 人事部の業務標準化が進み、全員が重要業務を担える体制へ
「高品質・Everyday Low Price」を掲げ、関東・関西に170店舗以上を展開し、急成長を続けるオーケー株式会社。従業員数2万8,000名を超え、シニア層や外国籍スタッフなど人材の多様化が進むなか、同社は「人が育つ会社、人の力で永続的に成長する会社」という力強い方針を掲げています。
すべての従業員がこれまで以上にお客さまと向き合い、豊かな買い物体験を提供できる環境をつくるには、ノイズとなっていた複雑な労務手続きから現場を解放することでした。その一環として、ITリテラシーを問わず直感的に使えるSmartHRを導入し、人事労務DXを推進。現在は、蓄積されたデータを活用して個々の自律的なキャリアを支援する「タレントマネジメント」活用に向けた基盤づくりを着実に進めています。
今回は人事部の羽鳥さん、花塚さん、下平さんに、SmartHR活用による労務効率化と、データ活用で目指す「人が育つ会社」の展望を伺いました。
「DXはあくまで手段」——現場をノイズから解放し、いいお店をつくるために
貴社が掲げる「人が育つ会社、人の力で永続的に成長する会社」という方針において、人事労務領域のDXはどのような役割を担っていますか?
羽鳥さん: 現場のスタッフにとって一番大切な役割は、お客さまに向き合い、いいお店をつくることです。一方で、法整備などに伴い労務手続きが複雑化しています。こうした事務作業にかける時間が、本来注力すべき業務に「さらに力を注げるはずの余地」が削られている実態がありました。
私たちが目指すDXは、あくまで手段です。手続きを徹底的に簡素化することで、従業員を付加価値を生まない作業から解放し、「どうすればお客さまに喜んでもらえるか」という思考や対話に充てる。そうして、一人ひとりが商売の楽しさを実感し、役割を全うできる環境を整えることこそが、DXの役割だと考えています。

人事部だけが便利でも意味がない。「全員が使えるシステムか」を選定軸に
2万8,000名もの規模で、かつ多様なスタッフが働く組織でのシステム導入は、ハードルも高かったのではないでしょうか。
羽鳥さん: そうですね。当社の従業員構成は、60代以上のシニア層が約9,300名と全体の3分の1を占めています。外国籍スタッフも700名以上と多く、デジタル習熟度も言語もさまざまです。地域密着の採用を大切にしているからこそ、誰もが迷わず使える仕組みであることは、システム選定において譲れない条件でした。
SmartHRを導入する決め手となったのはどのような点でしたか?
羽鳥さん: 多くの従業員を抱えるなかで、システム導入の失敗は許されません。そのため、社会的な信頼があり、多くの企業で導入実績があることが第一条件でした。そのうえで、最終的な決め手になったのは、スマートフォンアプリがあり、従業員視点で使いやすいことです。
花塚さん: 競合のシステムと比較した際、SmartHRは一見してわかりやすいデザインや色使いが印象的でした。
当社は多くのノンデスクワーカーを抱えており、ITツールの活用に慣れていない従業員も数多く在籍しています。システムが使いづらいと、結局「紙のほうが良かった」と紙運用に逆戻りしてしまいます。管理する側が便利になるだけでなく、実際に使う現場の従業員全員が迷わず使えるかという視点が何よりも重要でした。

羽鳥さん: くわえて、費用対効果の面も非常に重視しました。「高品質・Everyday Low Price」を掲げる以上、システム投資においても高いパフォーマンスが求められます。また、店舗を拡大していくなかで、限られたリソースはできる限り現場の人件費として還元したいという思いもありました。
そこで、紙代や郵送費、人事部員の工数など、現状のままでは今後増大し続けるコストをすべて数値化し、SmartHRを導入した場合にどう最適化できるかを検証しました。このプロセスでは、SmartHRの営業担当の方にも伴走していただきました。
これにより、コストパフォーマンスに優れた投資である根拠を数字で明確に示せたため、経営層への提案も非常にスムーズに進みました。
入社書類は3分の1に。紙の個人情報特有のリスクも低減
実際にSmartHRを導入されて、人事部の業務はどう変わりましたか?
花塚さん: 給与明細のペーパーレス化は、劇的な効果がありました。以前は給与計算のあと、全従業員分の明細を印刷して梱包し、各店舗へ発送するまでに2日半から3日ほどかかっていました。それが今では、データを取り込んで時間を設定するだけです。毎月の膨大な作業時間が削減され、そのぶんを次のペーパーレス化に向けた準備や、本来注力すべき業務に充てられるようになりました。
下平さん: 入社手続きについても、以前は毎週150〜200名分の紙の書類が各店舗から届き、それを私たちが手入力していました。今では従業員ご本人がスマートフォンから直接入力してくれるようになったため、紙の入社書類が3分の1になりました。
従業員のなかには紙を希望する方もいるため、一部では紙の手続きも残しています。ただ、入社時にSmartHRのアカウントは必ず発行しているので、紙手続きで入社された方も、次第に「スマホで給与明細が見られるのは便利だ」と、切り替えるケースが増えています。

花塚さん: 心理的なメリットも非常に大きかったと感じています。以前は転記ミスなどのリスクが常にありましたが、データ化によって大幅に軽減されました。
また、入社書類はまさに個人情報の塊です。紙の運用では「本当に送ったのか」「無事に届いたか」「紛失していないか」といった、物理的なやりとり特有の不安が本部と店舗の双方にありました。そうした精神的な負担が解消されたことは、数字以上の価値があると感じています。
人事部の属人化から脱却できたことも成果です。作業時間の削減により、業務の見直しやマニュアル整備が可能になりました。たとえば、かつて特定メンバーに偏っていた新店説明会も、チームの誰もが同じクオリティで対応できる体制へ移行しつつあります。
デジタルに不慣れなスタッフも、外国籍スタッフも、全員に利用浸透
現場の店舗スタッフや店長の皆さまからは、どのような反響がありましたか?
花塚さん: もちろん、最初はログイン方法に戸惑う方もいましたが、「待ってました」という歓迎の声も多かったですね。大きな喜びの声としては、契約更新の際、大型店舗では300名以上の書類に印鑑をもらって回る必要がありましたが、その手間が一切なくなったことです。
また、給与明細がスマートフォンで見られるようになったことで、「これまでよりも控除項目や給与額を確認するようになった」などポジティブな声も届いています。
下平さん: 外国籍のスタッフについては、SmartHRの言語切り替え機能にとても助けられています。想定していたよりも問い合わせが少なく、皆さんが自ら言語設定を変更してスムーズに手続きをしてくれていますね。
花塚さん: シニア層のスタッフ間でも、スマートフォンでの操作に慣れた方が、戸惑っている方に「こうやってログインすればいいよ」と自然に教え合っている光景をよく目にします。「あの人もできているから私もやってみよう」と、互いにサポートし合う文化が現場で生まれ、皆さん達成感をもって使いこなしてくださっています。

労務で集めたデータが、人を活かす武器になる。「戦略人事」への道
タレントマネジメント領域へのSmartHR拡張を決められた背景を教えてください。現在は、評価、配置、学習管理などの準備を進められていますね。
羽鳥さん: 一番の理由は、従業員データの一元化です。システムが複数あると情報の同期にズレが生じますが、大切な従業員情報を扱ううえでそれは望ましくありません。数あるHRシステムのなかでも、「すべての企業にとって、正確性が求められる労務管理」を原点としているSmartHRに信頼を置きました。
また、SmartHRは入社手続きを通じて、正社員だけでなく全従業員が確実にアカウントをもち、最新の情報が蓄積されています。この強固な土台があれば、タレントマネジメント領域も安心してお任せできると判断しました。

従業員情報の一元化で、貴社が実現したい戦略人事とはどのようなものでしょうか?
羽鳥さん: 従業員データの可視化による異動配置の最適化です。たとえば配置検討の際「この従業員は、違うタイプの店舗や職種なら輝けるかもしれない」経験や記憶に頼って調整するケースが多くありました。しかし、従業員数が3万人規模に迫るなかで、この手法に限界を感じています。
私たちが目指すのは、「オーケーを選んでくれたすべての人に、等しく活躍の機会を提供すること」です。SmartHRに蓄積された過去の経歴や評価、特性などのデータが可視化されれば、客観的な意思決定が可能になります。異動配置が最適化され、的確なキャリア支援をより多くの従業員にできるようになります。
当社はこれからも拡大を続け、新規事業へ挑戦する機会も増えていくでしょう。その際、外部からの採用だけに頼るのではなく、社内の仲間に目を向けたいんです。「新事業に近い経歴をもっている」「この業務への適性が高い」という人材をシステムで見つけ出し、積極的に抜擢していきたい。
「今の環境が合わないから辞める」という選択に至る前に、「今の持ち場」だけでは見えなかった個々の才能に光を当て、適材適所の配置を実現する。それこそが、会社と従業員の双方が成長し続けるための、タレントマネジメントの理想形だと考えています。
採用した全員を輝かせる。「人が育つ会社」を本気で目指すオーケーの構想
最後に、SmartHRの活用を含め、今後貴社が人事領域で目指していきたい理想の姿があればお聞かせください。
羽鳥さん: 私が究極的に目指しているのは「1応募1採用」です。現在、非常に多くのご応募をいただいていますが、それは同時にお見送りの連絡も多く差し上げているということ。せっかく「オーケーで働きたい」と手を挙げてくださった方とご縁が結べないのは、非常に心苦しく、地域のお客さまを大切にする当社としても本意ではありません。
だからこそ、応募してくださった方全員を採用し、その方が輝けるポジションを社内で見つけて育成できる会社にしたい。「不採用」という選択をなくし、縁があったすべての人に活躍の場を用意する。そして、入社から退社まで、従業員の大切な時間を預かる以上、全員のキャリアを見逃さずに支援し続ける。
それこそが、当社が掲げる「人が育つ会社、人の力で永続的に成長する会社」の真髄だと思っています。理想論に聞こえるかもしれませんが、従業員データの可視化を武器に、本気で取り組んでいくつもりです。

現場が使いやすいシステムが、めぐりめぐって従業員の可能性を広げ、事業成長につながっていくという、素晴らしいビジョンをお伺いできました。本日は貴重なお話をありがとうございました。
誰もが迷わず使いこなせる「worker-friendly」な世界。SmartHRが大切にしているこのビジョンについて詳しくご紹介します。
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掲載内容は取材当時のものです。
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