年末調整工数を半減。人事データの一元化を推進し、人事施策を実行
課題
- 約200名分の人事労務業務を1名で担当しており、本来取り組みたい人事施策に手をつけられていなかった
- 入退社手続きも紙で運用しており、退職者の離職票も手書きで作成しており、非効率だった
- 勤怠管理や給与計算も、紙とExcelでの運用のため、目の前の業務をこなすのが精一杯だった
解決策
- 人事労務業務全体のペーパーレス化を推進
- まずは直近に迫る年末調整の業務改善からとりかかり、他の人事労務業務の改善も順に進める
効果
- 年末調整業務にかかる時間を半減。社内対応も減り、ゆとりが生まれた
- 従業員情報がSmartHRに集まり、人事データベースとして活用できるように
- 従業員情報の変更もSmartHR上で申請できるようにし、さらに健康に関わる情報や評価、教育への活用も
愛知県に本社を構える株式会社山一ハガネは、昭和2年創業、高級特殊鋼素材を主に取り扱う特殊鋼専門商社です。
約200名分の人事労務業務を1名で担当することで、本来取り組みたい人事施策に手をつけられない現状に課題を感じ、ペーパーレス化推進のためSmartHRを導入。
導入の背景や活用方法、今後取り組みたい施策について、加藤さんと小崎さんにお話を伺いました。
約200名分の年末調整業務のペーパーレス化を目的に導入
導入の背景について教えてください。
小崎さん:最も改善したかったのは、年末調整の紙運用です。約200名分の確認に非常に時間がかかっており、自分1人では抱えきれなくなっていました。入退社手続きも紙で運用しており、退職者の離職票なども手書きで作成していたため、人事労務業務全体のペーパーレス化推進を検討し始めていました。
勤怠管理や給与計算も、紙とExcelでの運用のため、目の前の業務をこなすのが精一杯という状態でした。この状態では福利厚生制度の整備など、本来取り組みたいことができません。
まずは直近に迫っている年末調整の業務改善からとりかかり、他の人事労務業務の改善も順に進めていこうとしていました。
導入の決め手は何でしょうか?
小崎さん:使いやすい操作画面が導入の決め手です。SmartHRで年末調整がラクになると知り、すぐにサービス説明を聞き、画面を操作しました。労務担当側も従業員側も使いやすく、ITに不慣れな方でもわかりやすいと感じました。弊社には外国人国籍の従業員もいるため、多言語化対応も助かっています。
年末調整にかかる時間を半減。社内対応も減り、ゆとりが生まれた
年末調整は導入後2回実施していますが、導入後の変化はありましたか?
小崎さん:年末調整業務にかかる時間を半減できました。実は、1回目の年末調整では、メールアドレスを付与していない方は紙で提出してもらったんです。しかし、SmartHRと紙と並行して年末調整業務を進めるのはやはり大変で、SmartHRで実施するほうがラクだとわかりました。2回目は全従業員にメールアドレスを付与し、SmartHRで実施してもらっています。
加藤さん:年末調整はかなりラクになりましたね。従業員ご自身で入力してもらえることで、労務担当側の確認もスムーズです。提出状況がわかりやすく、「あと何人未提出」などの進捗を把握しながら業務を進められるのも魅力です。
私はSmartHR導入後に入社しましたが、操作画面が使いやすく、感覚的に操作できるのであまり苦労しなかったですね。
従業員の反応はいかがでしたか?
小崎さん:「年末調整がわかりやすくなった」という声をいただきました。これまで、年末調整の時期は毎年「どこに何を書いたらいいの?」という質問が多く、あらゆるケースに対応した記入サンプルを用意して説明していました。
SmartHR上では記入内容のヒントも書かれているため、労務担当への質問がかなり減った印象があります。質問対応でバタバタすることが減り、私にも心の余裕が生まれ、丁寧に対応できました。
加藤さん:計算機を使わなくても入力でき、画面もわかりやすいので従業員側もラクになったのではないでしょうか。理解が難しく複雑な内容も画面のヒントメッセージを見て進めれば理解できます。最初から「わからない」とギブアップするのではなく、できるところまで入力を進めてもらえるようになりましたね。
小崎さん:年末調整だけでなく、ほかの手続きも本当に助かっています。入退社手続きにかかる業務は数分程度になり、ハローワークに行く必要もなくなりましたし、給与明細の配布もオンライン化されたことで業務効率化がかなり進みました。
人事データの一元管理を推進、教育・評価への活用も見込む
加藤さん:手続き周りの業務効率化だけでなく、今は人事データの整備にも取り組んでいます。従業員の等級や資格などをまとめ、社員情報を把握しやすいよう一元管理を進めています。
小崎さん:通勤に利用している車両情報なども含め、従業員情報はSmartHRに集まってきていますね。従業員情報を紙でやりとりすることもなくなりました。
加藤さん:従業員情報の変更もSmartHR上で申請できるようにし、通勤経路の変更などもオンラインで手続きできるようになりました。さらに健康に関わる情報や評価、教育・研修の記録も入力したいと考えています。
従業員との情報のやりとりという点では、秘密保持契約書の締結にも活用しています。「ホームページに従業員の顔が一部写りますので、問題ない場合は承諾書の合意をお願いします」などの案内を最近送りましたね。60歳以上の再雇用契約書なども含め、オンライン雇用契約・文書配付機能はよく活用しています。
今後は人事データの一元化をさらに推進し、権限を設定して上長にも一部閲覧できるようにしたいですね。「入社何年目で、今こんな研修を受けています」という情報は評価の際に必要だと思いますし、SmartHRに蓄積されたデータをいかに現場で活用できるかは今後考えていきたいところです。
SmartHRのあらゆる機能をフル活用いただきありがとうございます! 操作においてヘルプページやチャットサポートは利用されていますか?
小崎さん:はい、活用しています。困ったことがあればヘルプページを見たり、チャットサポートを活用したりしていますが、疑問点は常に解消されています。
加藤さん:画面がわかりやすいので、感覚的に操作できることの方が多いかもしれませんね。
従業員同士の理解を深め、さらにコミュニケーションが活発な会社にしたい
業務効率化が進んだいま、どのようなことに取り組みたいと考えていますか?
加藤さん:山のようにあった業務を整理して、やっと「仕事」に取り組めるようになった印象がありますね(笑)。確実に業務効率化は進み、今まで手をつけられていなかったことに取り組めるようになりました。とくに就業規則の変更や教育・研修に関わるところですね。
年末調整などの人事労務業務はなくなりませんので、一定の時間がかかります。しかし、これらの業務を効率化しなければ、教育や評価などの人事施策に取り組めません。本来やるべき仕事を進めるために、人事労務業務の効率化はさらに進めたいです。
小崎さん:育児や介護が必要な方が働きやすいよう、多様な働き方に対応できる制度を設けていきたいです。育児休暇の取得もポスターの掲示などで働きかけをすることで、男性の育児休暇取得者もでてきました。さらに広げていきたいと思っています。
今後、どのような会社にしていきたいですか?
小崎さん:コミュニケーションが活発な会社にしたいですね。同じ建物の中にいない方とはなかなか接点がありませんが、それでも明るく挨拶が飛び交う会社でありたいです。
今は社内のコミュニケーションツールにて「入社した方の紹介」などを配信して、お互いのことを知る機会を設けています。
加藤さん:小崎さんが話したように、育児休暇のお知らせなど、会社からの発信は管理本部で実施していますが、ほかにも「ダイバーシティ&コミュニケーション」という部署があります。他部署と連携し、従業員同士の理解が深まる工夫をしたいですね。社内に「知らない人」がいない状態を目指したいです。
また、山一ハガネという会社にいることが、皆さんの人生にとって何かプラスになるようにしたいですね。
引き続きSmartHRがご支援できるよう改善を進めてまいります。貴重なお話をありがとうございました!
※
掲載内容は取材当時のものです。