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「未来の土屋鞄」を作るために。労務業務を超え、会社全体で活用

SmartHRの導入や活用に関わった人事本部、コーポレート本部情報システム担当のみなさん
(SmartHRの導入や活用に関わった人事本部、コーポレート本部情報システム担当のみなさん)
  • 課題
    幅広い職種に対応するため、入社書類に1人あたり約50枚用意する手間がかかっていた
    定型業務と季節業務に手一杯で、新たな打ち手に時間をさけなかった
  • 解決策
    入退社手続きや雇用契約、年末調整業務のペーパーレス化を実施
    給与、採用、勤怠、評価など幅広い人事業務全体のマスタデータベースを構築
  • 効果
    システム全体の見直しを行い、年間約400万円のコスト削減
    3日かかっていた雇用契約の手続きが、早くて1日で雇用契約が締結まで完了
    入社手続き全体で60%の工数削減

1965年創業、ランドセルづくりから始まった歴史ある企業、株式会社土屋鞄製造所。自社で企画・制作・販売までを一貫して行い、ランドセルだけでなく、大人向けの鞄や小物なども手掛けています。

全国に拠点があり、工房の職人や販売スタッフなど職種も様々。そんな同社は、入退社手続きのペーパーレス化を目的にSmartHRを導入。今では人事業務全体のマスタデータベースとして労務課を超え、全社での活用にまで広がっています。

その活用方法や労務課のこれからについて、人事本部人事労務課 課長 吉田さんと、中村さんにお話を伺いました。

「人事業務全体の中心」に置いて活用できるのが導入の決め手

まずは、SmartHR導入の背景を教えてください。

中村さん:全国に拠点があり、工房や店舗で勤務する従業員など幅広い職種に対応するため、入社書類はマニュアルも含めて1人あたり約50枚印刷していました。繁忙期には短期間で数十名以上が入社しますので、毎回その入社書類を用意するのは非常に大変でした。

吉田さん:SmartHRの導入以前は雇用契約も含めてほぼ全ての手続きが紙だったので、まずは会社として紙のやりとりを減らしたいと思っていました。労務課のメンバーの作業もかなり多く、定型業務と季節業務で手一杯で、実施したい新たな打ち手に時間をさけていない状況でした。上司の要望としても、よりスピーディに、より簡単に、より従業員と労務課メンバーの事務コストを減らすことが挙げられていました。

サービスの選定において重視していたこと、SmartHR導入の決め手を教えてください。

吉田さん:入退社手続きで社労士とのやりとりに必要な業務をスムーズにするだけでなく、雇用契約をオンラインで締結できるかどうかも重視していました。他社サービスと比較し、金額面だけでいうと一番安かったわけではありませんが、オンライン雇用契約・文書配付機能、人事業務全般の改善を期待して導入を決定しました。

中村さん:同じ時期に、働きやすい環境づくりのために人事制度の変更を検討していました。例えばリモートワークや時短勤務などの制度を導入しましたが、その制度の運用に適した給与計算などのシステムの入れ替えも必要になっていました。

採用管理システムから勤怠管理システム、給与計算、評価システムまで幅広く連携しているSmartHRは、これら人事業務全体の元となるマスタデータベースとして機能します。これにより、入退社管理から給与計算まで、人事業務全般をシームレスに実行できるのは大きいです。

(人事本部 人事労務課 中村さん)

(人事本部 人事労務課 中村さん)

システム全体の見直しを行い、年間400万円のコスト削減へ

導入後、オンライン雇用契約・文書配付機能を活用し、入退社手続きはどう変わりましたか?

中村さん:これまで雇用契約のやりとりに必要だった郵送から合意、返送にどんなに早くても3日はかかっていました。現在では、雇用契約書作成は5~10分で完成しますし、早くて1日で雇用契約が締結されます。入社手続き全体で60%は工数削減できていますね。

吉田さん:繁忙期にはアルバイトの方が90名一気に入社したのですが、本人用と会社用で2通契約書を準備すると180枚捺印が必要になり、腱鞘炎になるかと思うくらいハンコを押すのが大変だったんです。それがSmartHR上でオンラインで締結できるのは非常に楽になりました。内容に間違いがないか確認するだけでよく、給与振込口座の情報もSmartHR上でやりとりが終わります。

ペーパーレスの推進でいうと、年末調整をSmartHRで実施されていると思いますが、そちらはいかがですか?(※2020年11月初旬)

中村さん:事前準備も、「特に何も準備いらないんじゃないか」というくらい楽でしたね。すでに差し戻し作業なども全て終わりました。年末調整の場合、工数が50%削減され、これまで4名で担当していましたが、2名で対応できるようになりました。

チャットサポートも活用していますが、やりとりの中でキャラクターの画像を添付したり、社内のメンバーに接しているような感覚でチャットしています(笑)。わからないことがあれば99%はチャットで解決しますし、時間も30分くらいで解決することが多く、とても助かっています。

吉田さん:初めてSmartHRを活用しましたが、従業員からは「便利で簡単だった」という声を聞いています。

年末調整、入社手続きなどの各種手続きに関わる紙書類は、年間約3万枚削減できました。また、先程中村がお話ししたように、SmartHRを導入し、それに合わせてシステム全体の見直しと業務効率化を図った結果、年間約400万円のコスト削減につながっています。

(人事本部 人事労務課 課長 吉田さん)

(人事本部 人事労務課 課長 吉田さん)

従業員情報のデータベースとして、全社で活用

マスタデータベースとして具体的にどのように活用していますか?

中村さん:「申請・承認機能」を活用し、従業員の情報を一元管理できるようにしています。従業員の住所変更、慶弔関係の情報など、人事労務に関わる情報の変更はSmartHRで把握できるようになってきました。就労証明書も、以前は郵便等で受け取り、記入、捺印、送付してもらっていたのですが、SmartHR導入以後は「証明書作成依頼フォーム」を作り、SmartHRにPDFをアップロードしてもらっているんです。このおかげで、より早く作成し、従業員の手元に届けられるようになっています。

吉田さん:「申請・承認機能」は、労務メンバーだけでなく、他のコーポレート部のメンバーもアイデアを出して活用しています。SmartHRは全ての従業員が直接アクセスできるので、例えば、「自転車保険の取得情報」、「あるシステムのパスワードのリセット依頼」など、労務だけでなく総務でもフル活用しています。これまでチャットツールなどでバラバラと届いていたものを、従業員情報に紐づく形で漏れなく対応できるようになりました。

それらの手続きをSmartHRに移行するのは難しかったですか?

中村さん:簡単でした。これまでの業務を見直すと、要らない情報も多かったのではないかと改めてわかりましたし、SmartHRに置き換えられない手続きはあまりなく、社内の9割くらいはSmartHRに移行できました。

デジタルとアナログのバランスをとり、従業員が働きやすい会社づくりを

今後、どのようなことに取り組みたいと考えていますか?

吉田さん:労務という仕事は、入社してから退職するまで従業員とずっと関わっていく業務です。あらゆる接点において、「何か面倒だな」と、ストレスがかからないようにしていきたいんですよね。単純なことかもしれませんが、社内の手続きも常に改善し、働きやすさを追求していきたいと思っています。

中村さん:SmartHRを導入して、これだけ劇的に何かが変わるのは大きな発見でした。ITの力でできることは取り入れ、対面で人が解決しなければならないところはアナログの力を使い、バランスをとりながら会社をさらに良くしていきたいと考えています。

SmartHRの導入や活用に関わった人事本部、コーポレート本部情報システム担当のみなさん

コーポレート本部と人事本部で協力し、より働きやすい会社づくりに取り組まれていることに感銘を受けました。お話いただきありがとうございました!