公開日:2026/09/02
従業員データが、組織基盤をつくる。「職人技を育てるタレントマネジメント」イベントレポート

目次
「タレントマネジメント、何から始めればいい?」 そんな人事担当者のリアルな声にお応えして、SmartHRは2026年8月5日、「今からはじめる 職人技を育てるタレントマネジメント はじめの一歩とSmartHR×AIのこれから」をテーマにオフラインイベントを開催しました。
タレントマネジメントに取り組む企業の事例登壇パートや、他社の人事担当者と情報交換できる交流パートなど、コンテンツが盛りだくさんの本イベント。終盤には、SmartHRの担当者がタレントマネジメント機能の開発展望を語る登壇パートや、タレントマネジメント関連機能を実際に操作できる体験パートも開催されました。
この記事では、当日の熱気あふれる様子をレポートします。他社のリアルな成功事例や、タレントマネジメントを推進するうえでのヒントとして、ぜひ参考にしてください。

お役立ち資料
SmartHRで今すぐはじめるタレントマネジメント
この資料でこんなことが分かります
- タレントマネジメントにおいて人事データが果たす役割
- SmartHRでタレントマネジメント推進をスムーズに始められる理由
- タレントマネジメント機能の特徴・活用イメージ
- 労務機能とタレントマネジメント機能の活用事例
【事例登壇】データ活用で職人技の標準化に成功。 ひつまぶし名古屋備長のタレントマネジメント改革

事例登壇にお迎えしたのは、ひつまぶし専門店「ひつまぶし名古屋備長」で知られる株式会社備長の専務取締役・月井 隆行さんです。
職人技に依存する属人的な店舗運営と人材配置に課題を感じていた同社。SmartHRを活用して取り組んでいるタレントマネジメントの詳細についてお話しいただきました。
月井 隆行 さん
株式会社備⻑ 営業管理本部 本部⻑/専務取締役
レストラングループで約10年の経験を積んだ後、2007年に株式会社備⻑に入社。新規出店や店舗運営、人事領域に携わる。2023年より現職に就任し、組織改革や人材育成の推進を担う。
「なぜあの人が店長?」現場の不満が組織改革のきっかけに

株式会社備長は「ひつまぶし名古屋備長」の全国12店舗に、約535名の従業員を抱えています。タレントマネジメントに踏み切ったきっかけは、現場から届いた「どうして、あの人が店長なの?」という不満の声でした。
串打ち三年、裂き八年、焼き一生――。こんな言葉があるほど、うなぎ職人の育成には長い年月がかかります。こうした中でも、いかに短期間で効率よく腕のいいうなぎ職人を育てられるかは、ひつまぶし専門店を展開する当社の生命線でした。
串刺しができたら手当を増やし、焼き手になれば給与を月10万円上乗せする。過去には、こんな技術評価制度を設けていたこともありました。わかりやすく報酬が増えれば従業員のやる気が高まり、技術習得のスピードが上がるのではないかと思ったのです。

しかし実際には、調理場のスタッフたちは報酬の上がるうなぎの焼き作業ばかりを希望し、ホール業務や店舗管理業務を敬遠するようになりました。うなぎを焼く技術はあっても、店舗運営にまったく関心がない人が店長に就任するケースもおのずと出てきます。幹部の勘や幹部との人間関係に依存する、属人的な人員配置が常態化していました。
このままの企業体質ではいけない。2022年に創業30年を迎え、代表が「伝統の味と技術を継承し、100年続く企業にする」という目標を掲げたとき、そう感じました。これからも全国のお客さまから支持されるお店であるためには、多店舗展開を支える組織基盤の構築が必要不可欠だからです。SmartHRの導入を決めたのは、ちょうどその頃のことでした。
キャリアの可視化で若手社員のモチベーションが向上

最初に取り組んだのは、人事評価制度の整備と一元化です。店舗によって異なっていた評価基準を整理し、複雑化していた役職登用や手当支給のルールをシンプルにまとめたうえで、職種ごとに全社統一の評価基準を作成しました。
これまでのルールを大幅に変更すれば、従業員の戸惑いや反発が予想されます。現場の混乱を最小限に抑えるため、給与の3年間据え置き保証を約束したうえで一人ひとりと面談をし、今後の方針や新ルールの目的を丁寧に説明しました。
その結果、説明の過程で評価基準への理解が深まり、キャリアに対する上長と従業員との目線合わせができたことは、大きな成果となりました。
SmartHRを使えば、どんな人材が評価されているのか、営業管理本部がリアルタイムで把握できます。現場の感覚ではなく、客観的なデータに基づいた人員配置を本部主導で検討できる体制が整いました。
次に着手したのが、スキル・資格・研修機能の活用です。この役職に就くにはこの研修の受講、昇進にはこの資格の保持が必要といった要件を定め、キャリアマップとして可視化しました。これによって若手社員の目標が明確になり、モチベーションの向上につながっています。新しい業務や研修に対して、自発的に取り組む従業員も増えました。

お役立ち資料
3分でわかる!SmartHRのスキル・資格・研修
この資料でこんなことが分かります
- スキル・資格・研修管理における6つの課題
- リスクを防ぎ、データを活かすスキル・資格・研修管理体制
- 導入事例
サーベイの細かい権限設定で、「上長に見られる不安」を払拭

従業員の本音を引き出すのに効果的だったのは、従業員サーベイ(月次マインドチェック)の導入と閲覧権限の分離(区画整理)です。従業員へのアンケートは、以前から紙や表計算ソフトなどで実施していました。しかし、直属の上司に見られる可能性があれば、本音は書きづらいですよね。
その点SmartHRの従業員サーベイなら、閲覧権限を役職やエリアごとに細かく設定できるので、安心して本音を書けます。導入後は現場からの建設的な意見や本音の相談を多数回収できるようになりました。
従業員サーベイを継続すると、メンタルケアが必要な従業員やメンタル不調の従業員が多い店舗を早期に発見できるので、本部が適切なサポートができるようになりました。同僚や上司に相談しづらい悩みや、専門家によるメンタルケアのアドバイスが必要な場面ではSmart相談室も活用しています。
SmartHRの活用を通して従業員のスキルや組織の傾向が可視化され、データに基づく適切な経営判断が可能になりました。
直近では、新店オープン時にも従来の感覚的な人事から脱却しデータに基づいた客観的な人員配置を実現でき、SmartHRによってデータを起点とした組織基盤が整いつつあることを、あらためて実感した出来事でした。

飲食業界は変化の激しい業界です。だからこそ5年先、10年先を見据えた人事戦略と組織構築に取り組み、強固な軸を持たなければなりません。今後もSmartHRに蓄積されたデータをさらに活用し、うなぎのように筋肉質な組織づくりを目指していきたいです。

お役立ち資料
3分でわかる! 従業員サーベイ
この資料でこんなことが分かります
- なぜ「従業員サーベイ」なのか?
- SmartHRの「従業員サーベイ」の特徴
- 「従業員サーベイ」のご活用イメージ
- 「従業員サーベイ」実際の画面
【プロダクト開発展望】SmartHRが挑む、タレントマネジメント×AI活用の3領域

急速に進化するAI技術は、タレントマネジメント領域においても不可欠です。プロダクト開発展望のパートでは、タレントマネジメント事業本部の松栄が登壇。
「定型業務の自動化による人事業務の生産性向上」「データに基づく現場育成の高度化」という2つの柱を軸に、データ収集を自動化する重要性や開発が進むSmartHRの最新機能についてお話ししました。
松栄 友希
株式会社SmartHR タレントマネジメント事業本部 事業本部⻑
デザイナー、マーケターなど多様な職種を経てProduct Managerに。「転職ドラフト」など様々なプロダクトの立ち上げに加え、会社立ち上げも経験。STORES株式会社を経て、2022年12月に株式会社SmartHR入社、タレントマネジメント領域を担当。2026年より現職。日本CPO協会理事。
タレントマネジメント領域のAI活用は「従業員データの網羅性」が鍵に

ここ数年で、タレントマネジメントにおけるAI活用は急速に進んでいます。これまで求められていたのは、評価業務のシステム化やレポート作成など、あくまでデータを人間が把握・管理するためのAI活用でした。しかし最近では、人事・業務そのものの生産性向上やスキル定義、全社的な技術継承にAIを活用したいという声も増えてきています。
タレントマネジメントにおけるAI活用は大きく3種類あります。
1つ目は、作業コストを下げる実行系(手を動かすAI)です。定型業務やサーベイの定期配信など、これまで人間が手を動かしていたタスクをAIが代替するものが、これに当てはまります。
2つ目は、把握コストを下げる知能系(頭脳を貸すAI)です。蓄積されたデータの分析や傾向の提示、社内に埋もれていた経験者の発見など、人間の判断を助けるためのAIの使い方を指します。
3つ目は、専門知識へのアクセスコストを下げる対話系(寄り添うAI)です。カウンセラーのように、一人ひとりに寄り添う役割を果たします。自己評価コメントの書き方サポートやキャリアアドバイスなどが、この使い方の代表例です。
3つのうちどの使い方を選んでも重要になるのが、従業員データの網羅性です。従業員によってデータの質や量にムラがある状態では、AIを効果的かつ公平に活用できません。
たとえば、スキルや評価などの詳細なデータが従業員1,000名のうち300名分しかないとしましょう。この状態で「新プロジェクトに適した人材は?」とAIに質問するとき、AIは残りの700名の中にいる優秀な候補をすべて見落とし、適切な回答が得られないはずです。
理想は「システムを使うだけで従業員データが蓄積される」状態

従業員データの網羅性が低くなる一因は、データの入力を人間が担うことです。従業員の協力度合いによって部署ごとなどにデータの量や質にムラが生じます。また手作業によるデータ入力では、入力漏れや入力ミスのリスクも完全に消すことができません。
そのためSmartHRではシステムを使っているだけで網羅性の高い従業員データが蓄積される状態を目指しています。

第1階層は、情報収集の自動化です。日々の業務の中で自然と全社データが溜まる仕組みが、AIを正しく機能させる最重要基盤となります。
第2階層は、定型業務の自動化です。蓄積されたデータをもとにAIが定型業務を肩代わりし、人事担当者が組織づくりや従業員との対話に使う時間を創出します。
第3階層は、育成や人の判断の支援です。必要な従業員データが十分に蓄積されたら、AIが次世代リーダーの発掘や人員配置といった高度な意思決定をサポートします。

お役立ち資料
SmartHRで今すぐはじめるタレントマネジメント
この資料でこんなことが分かります
- タレントマネジメントにおいて人事データが果たす役割
- SmartHRでタレントマネジメント推進をスムーズに始められる理由
- タレントマネジメント機能の特徴・活用イメージ
- 労務機能とタレントマネジメント機能の活用事例
【交流パート&体験ブース】人事担当者同士の交流や、SmartHRの機能体験も

イベントを通して参加者は6つのグループにわかれて着席し、同じグループの人事担当者同士で交流を深める「テーブルトーク」も開催されました。テーブルトークではSmartHRスタッフがファシリテーターを務め、参加者のみなさんは気になる人事トピックについての意見交換を行いました。

イベントが進むにつれ、会場の空気もすっかりなごやかになり、参加者同士がコーヒーやお菓子を片手に歓談や名刺交換を楽しむ姿が見られました。事例パートに登壇された備長の月井さんも交流に加わり、参加者からの質問に笑顔で応じていらっしゃいました。

会場内には、人事評価・キャリア台帳・AI HRBP(仮称)・Smart相談室というSmartHRのタレントマネジメント関連4機能の体験ブースも設置されました。参加者は複数のブースをめぐり、各ブースにいる担当者のデモンストレーションやデモ画面の操作を通して、機能の活用イメージを深めました。

会場の熱気は途切れることなくイベントは終盤まで盛り上がり、プログラム終了後もたくさんの参加者が会場に残り、個別相談や参加者同士の交流を楽しまれていました。
SmartHRでは、人事・労務担当者のみなさまをお招きしたイベントをほかにも多数開催しております。最新の人事・労務トピックスについて意見交換したい、他社の取り組み事例を知りたい、SmartHRの最新機能を体験してみたい。そんな方は、ぜひイベントへの参加をご検討ください。
※掲載内容は取材当時のものです。
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- タレントマネジメント機能の特徴・活用イメージ
- 労務機能とタレントマネジメント機能の活用事例
SmartHR コラム編集部
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