非効率な伝言ゲームから脱却!メッセージ機能で実現する“三方よし”の連絡体制
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課題
- 従業員への連絡が上長経由の“伝言“頼りで非効率
- 郵送での書類対応に不備があれば、完了まで3往復かかることも
- プライベートな連絡手段による、属人化と公私の曖昧さが負担
解決策
- メッセージ機能で、上長を介さず従業員に直接連絡できる体制に
- メッセージ上で書類の記入方法の提示や、不明点への質問に対応
- 業務連絡ツール利用で人事・従業員双方の公私の線引が明確に
効果
- リードタイムが大幅に短縮され、人事・上長・従業員の負担軽減
- 従業員が不明点をメッセージ上で解消。不備のない書類提出を実現
- SmartHRがより身近な存在に。スマホを機種変更する従業員も
日野グローバルロジスティクス株式会社は、グループ全体の物流業務を一本化し国内外の生産部品、補給部品、完成車の物流業務全般を担い、物流コンサルティングや物流システム開発なども手掛ける、日野自動車グループの物流企業です。
同社の人事グループ 木村さん、神林さん、増田さんにSmartHRのメッセージ機能導入の背景と効果について伺いました。
上長を介した連絡体制では正しい内容が伝わらない
SmartHRのメッセージ機能のご利用以前に抱えられていた課題・お悩みについて教えてください。
木村さん:当社には700名を超える従業員が在籍するなか、約8割ほどが「現業職」という、実際に手を動かす業務がメインの方々です。たとえば、当社倉庫で部品・パーツを取り扱う部門は現業職になります。現業職の従業員の大半は社用メールアドレスをもっていません。そのため、現業職の従業員個人に、人事が直接連絡できず、苦労する場面が多かったです。
人事が従業員個人への連絡・確認事項がある場合、どのような手順を踏んでいたのでしょうか?
木村さん:基本的にはまず、対象の従業員の上長へメールをします。そして、メールを見た上長から、適宜対象従業員へ声がけしていただき、本人へ連絡事項が伝わる流れになります。
流れ自体はシンプルなのですが、プロセスにはいくつかの課題がありました。
まず、連絡の内容が本人へ届く過程で必要な情報が抜け落ちてしまい、まるで伝言ゲームのような状態になってしまうんです。結果として従業員本人が「なぜ呼ばれたのか認知できていない状態」で、人事のところへ訪れるケースが発生していました。
要件によっては提出物が必要なケースや、捺印が必要なケースもあるので、準備のないまま人事に訪れても結局は現場(倉庫)を往復する形になり、お互いにとって非効率な状態でした。そのほかにも、
- 対象となる従業員の上長の特定と連絡先の確認が手間
- 上長がお休みだった場合、次点での最適な連絡先が不確定
- 上長が誤って同姓の別の従業員へ連絡事項を伝えてしまう
などが発生し、結果として対応完了までのリードタイムが必要以上に長くなってしまうことが悩みでした。
神林さん:現場の負担も気になるポイントでした。上長にとって、日々業務をするなかで、人事からの連絡を対象の従業員へ伝達をするのは容易ではなく、どうしても伝達ミスが起こってしまいます。
その結果、従業員が作業を中断して人事グループへ赴いたり、場合によっては現場と人事グループを複数回往復するなど、非効率な時間を生んでいました。
なかには、確実に伝達内容を本人へ届けるため、人事からのメールを印刷したうえで本人へ直接渡してくださる方もいらっしゃいます。ありがたい反面、人事としては必要以上に工数を割いていただく状況を改善したいと考えていました。

増田さん:郵送での書類送付を伴う休職者への連絡においても課題がありました。記入対応が必要な書類を送付後、返ってきた書類に不備があれば再度返送が必要です。結果、対応完了までに書類が3往復ほどするケースもあります。人事としても対応工数がかさむうえ、休職中の従業員本人にとっても、慣れない書類対応に苦心するような負の体験になることは避けたいと考えていました。
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プライベートな連絡手段に頼らざるを得なかった従業員への個別連絡
休職者をはじめとした直接連絡が取りにくい従業員へは、どのような手段で連絡されていましたか?
増田さん:プライベートのメールやコミュニケーションアプリを通じてコンタクトを取るケースがほとんどでした。業務遂行上必要なアクションでしたが、あまり健全な手段とは言えませんよね。
それによって生まれた課題として、人事と従業員双方が公私の線引きが難しい状態に陥るケースがあります。
たとえば、コミュニケーションアプリを利用した連絡方法では、人事側も自分のプライベートアカウントを利用せざるを得なくなり、対応が属人化します。さらに、従業員からの連絡が業務時間外や休日に届くこともあり、担当者のワークライフバランスへの影響も悩みの種です。
また、コミュニケーションアプリの性質上、業務上のやり取りを越え、プライベートな相談に発展してしまうケースも多く、人事が対応に苦慮する場面がありました。このような体制は、人事・休職者双方にとってもよい状態とは言えないと考えていました。
木村さん:これまで挙げてきた課題は、人事が日々業務に向き合うなかで頻出する悩みの一部です。とくに、従業員への連絡・確認が伴う業務は、対応完了までのリードタイムが長くなる傾向にあり、人事・労務業務全体の停滞に繋がります。
これらの課題解決には、人事が直接従業員への連絡手段が必要だと考え、SmartHRのメッセージ機能の導入を決めました。

上長の負担を軽減し、リードタイムが1週間から1営業日へ短縮。業務全体の効率化を実現
メッセージ機能を導入いただいてからの運用についてお伺いできればと思います。まずはこれまでの従業員への連絡体制からどのような変化がありましたか?
神林さん:現在ではメッセージ機能上で人事から、すべての従業員へ直接連絡ができる体制が整いました。これにより、上長が人事からの連絡を対象の従業員に伝えるアクションがなくなったため、上長の負担軽減に貢献できています。
伝達事項は人事から本人に直接届けるため、以前のような伝言ゲームによる情報の欠落や伝達ミスもなくなりました。
増田さん:おかげで、メッセージ機能で連絡するようになってからは、以前発生していた「なぜ人事に呼ばれているかわからない」という人もゼロです。よって、人事・上長・従業員それぞれで負担軽減になり、三方よしな連絡体制になっています。


もともと従業員への連絡が伴う業務はリードタイムが長くなる傾向にあったとのことですが、メッセージ機能ご利用後ではリードタイムに変化はありましたか?
木村さん:端的に言って、リードタイムは大幅に短縮できました。これまでの連絡体制と比較すると、従業員本人に連絡が届き、人事に何らかのリアクションがくるのに、最長で1週間かかるケースもありましたが、今では当日、または翌日には何らかのリアクションがもらえるようになっています。
上長を介した伝言依頼のための準備とその連絡が不要になったこと、人事が従業員に伝えたいことを本人に直接伝えられること、従業員が自分のスマートフォンなどからメッセージを確認できることによって、コミュニケーションの齟齬を防ぎスムーズに対応を進められる体制になりました。

神林さん:年末調整においても効果を実感しています。
これまでは、提出された年末調整書類に不備があった場合はSmartHR上で差し戻しをし、従業員からの再提出を待つ運用でした。一部の従業員にとっては差し戻された書類の修正や具体的な対応がわからず、再提出が遅れてしまうケースもありました。その場合、人事が所属する部門の上長へ連絡し、本人を人事に招き対面で説明しながら対応していました。それぞれに余計な工数がかかるうえに、対応完了までに時間がかかります。
メッセージ機能を利用してからは、昨年の年末調整の申請内容と差異がある従業員をあらかじめリストアップし、メッセージ機能上で対象の従業員に一斉にアラートを出しました。大半の従業員がそれによって、内容を正しい内容に修正し、質問があればメッセージ機能上で回答しました。その結果、2024年の年末調整はSmartHR上での差し戻しはほぼゼロになりました。
休職・退職者の書類不備解消で効率化、公私の線引きも明確に
休職者の方への連絡業務において変化はありましたか?
神林さん:休職者だけでなく、退職者とのやりとりもメッセージ機能に移行しています。当社ではどうしても紙で対応しなければならない書類があるため、対象の従業員へ郵送する工程があります。従業員も慣れない書類対応になるので、不備がある状態で返送いただくケースもありました。すると、対応完了までに約2往復かかり、日数にして5日ほど必要になってしまうこともあったんです。
現在では、必要書類を人事から郵送後、対象従業員へメッセージ機能で書類送付のご連絡と具体的な対応方法をお伝えしています。「何か不明点があればこちらで聞いてください」と添えているので、疑問点や記入に迷うことがあればメッセージ機能上で解消しています。メッセージ機能では画像ファイルも送付できるので、画像を見せながら具体的に記入方法を提示できるので助かっています。
その結果、不備のない書類が提出されるようになり、きっちり1往復で対応完了しています。
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増田さん:以前、悩んでいた公私の線引きが難しいような状態になることもなくなりましたね。プライベートのコミュニケーションアプリと違い、業務上の連絡ツールであることで、人事・従業員双方が公私の線引きを認識できるのも大きいと思います。
もちろん、メッセージのやりとりは人事のメンバーがお互いに閲覧できる(メッセージの履歴が残る)ので、対応進捗が互いに把握しやすく、対応が属人化する心配もありません。小さな変化ではありますが、人事側のメンタル負担の軽減にも繋がっていると感じます。
『SmartHRを使いたいから機種変更』。SmartHRが従業員にとってより身近な存在に
そのほか感じられた変化などがあれば教えてください。
神林さん:最近では従業員が人事からのメッセージを確認してくれる時間や、返信のテンポ感などがわかってきました。たとえば、当社は午前中にメッセージを送ることで、昼休みや午後の空き時間にメッセージを確認する従業員が多い傾向にあります。
それを念頭に置いて、各手続きの依頼や確認の連絡ができるので、人事としても対応完了までのリードタイムが読みやすくなったのも嬉しいポイントですね。
木村さん:メッセージ機能を使い続けることで、SmartHR自体が従業員の皆さんにとってより身近な存在になっているように感じます。
たとえば、スマートフォンアプリのインストールが進み、個人のスマホから人事からのメッセージを確認する人も増えました。スマートフォンアプリなら、人事からのメッセージをはじめ、給与明細なども通知されるので、以前よりも「SmartHRは便利だ」という認知が広がっているのでしょう。
なかには、SmartHR非対応のスマホから、対応しているスマホに乗り換える従業員もいらっしゃいました。
さいごに、連絡業務の効率化によって創出した時間で、できるようになったことなどがあれば教えてください。
木村さん:当社の人事グループでは、今回お話ししたような労務業務のほかに、社内イベントの企画・運営を担っています。イベントの準備には、社内外とコミュニケーションを取りながら進める必要があります。メッセージ機能をはじめ、SmartHRで人事・労務業務を効率化できていなければ、イベント運営などの従業員に向けたエンパワーメント施策を積極的に進行するのは難しかったでしょう。
今後もさらなる機能活用を進め、人事として組織に貢献できるアクションを増やしていきたいと考えています。
従業員の皆さんにとってもSmartHRが身近な存在になっているのは非常に嬉しいお話でした。引き続きお役立ていただけると嬉しいです。貴重なお話をありがとうございました!
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掲載内容は取材当時のものです。