採用リードタイムが1/3に短縮。フロー整備と風土変化を実現した「採用管理」機能の活用
課題
- 人事総務の知見が紙ベースで属人化され、引き継ぎが円滑でなかった
- 採用活動のフローやステップが定まらず、対応が後手になっていた
- 望む成果が得られず、採用活動に対する社内の温度感が低かった
解決策
- SmartHRの「採用管理」機能で、採用ステップを“見える化”
- 採用関連の書類をSmartHRの画面上で紐づけて表示・閲覧
- メモ機能で対応や面接の所感を記録し、担当者連携を図った
効果
- 応募から入社までのリードタイムが1/3に短縮できた
- ペーパーレス化が進み、印刷コストやそれにかかる時間を削減
- 採用にかかる社内連携が活発になり、改善提案が生まれるようになった
アクティア株式会社はプロのハウスクリーニングや宅配クリーニング、家事代行など、家事の支援事業を展開しているイオングループの会社です。
同社では、人事総務の業務改善を目的にSmartHR労務管理を以前から利用していましたが、2023年9月よりSmartHRタレントマネジメントを利用し、さらなる業務効率化を開始。「採用管理」機能を活用した情報の一元化や採用ステータスの可視化などに取り組んでいます。
「採用管理」機能の導入背景や活用の詳細、今後の展望などについて人事総務グループの菅沼さん、岡田さんにお話を伺いました。
採用活動を根本から変えるため、SmartHRの「採用管理」機能を導入
まずはそれぞれ役割について簡単に教えてください。
菅沼さん:管理統括部 人事総務グループのマネージャーで、人事と総務の業務全般を担当しています。2023年9月に親会社のイオンリテールから出向しているのですが、以前はバックオフィス改革チームの一員として店舗後方業務の標準化推進などに携わっていました。
岡田さん:同じく管理統括部の人事総務グループの所属で、主に採用関連の業務を担当しています。
SmartHRはもともと、どのような経緯で導入されたのでしょうか?
菅沼さん:書面での手続きやアナログな情報管理を解消するため、前任者が導入したと聞きました。人事総務グループのマネージャークラスは親会社からの出向者が就くケースが多いのですが、大体3年ほどで帰任するため引き継ぎを円滑化する狙いもあったのだと思います。
私もSmartHRの機能が便利であることは以前から知っていたので、アクティアに着任してからはアナログ業務のデジタル化に向けて積極的に活用しています。実際に使っていて感じるのは、直感的に操作できるほか、SmartHR社のサポート体制の充実です。運用でつまづきやすいポイントも、利用者目線に立ってサポートしてくれます。こういった点も導入時に魅力に感じたのかもしれません。
現在はSmartHRの「採用管理」機能も導入しています。こちらはどのような課題・背景があったのでしょうか?
菅沼さん:弊社は家事代行サービスという性質上、スタッフは中途採用のみです。さまざまな理由で人の出入りはありますから、採用は継続的に行わなくてはいけないものの、大きく分けて2つの課題がありました。
1つは採用活動における業務のフローやステップが定まっていないこと。もう1つは採用活動に対する社内の温度感が低いこと。それらを総合的に解決したいと考えました。
以前は表計算ソフトでつくった管理シートがあったのですが、運用に関する共通ルールがありませんでした。そのため、担当者が変わるたびに管理シートの項目(列)が増えてしまい、内容がどんどん複雑になってしまったんです。そうなると、複数人で操作することによる管理シートの“先祖返り”のリスクも高まります。
また、当時は内定辞退者も多く、出社いただけるかどうかすらわからないといった不安もあったため、担当者も採用そのものに積極的になりきれない空気感が社内にありました。原因を分析しようにも、先述した管理シートの課題もあって求職者の情報管理がうまくいっておらず、適切な手を打てていなかったのです。
こうした課題を解決して採用活動を根幹から変えていこうと考え、2024年夏よりSmartHRの「採用管理」機能を導入・運用しています。
採用ステップの“見える化”で、業務効率化を加速
「採用管理」機能の利用によりどのような変化がありましたか?
岡田さん:菅沼さんが着任される以前は、主に表計算ソフトでつくった管理シートを使って、私が中心となり採用業務を担当していました。そのため、やむをえない理由で会社を休むときなどは、業務自体がストップしていたのです。
そうなると求職者さまへの連絡が滞るなどし、ご迷惑をおかけしかねません。実際に、採用ステップの入口となる書類選考の遅れから後手の対応が続き、せっかくよい方がいても「ほかの会社に決まった」というケースも多かったと思います。
しかし、SmartHRの「採用管理」機能を利用することで求職者に関する情報を集約し、採用ステップがどのようなステータスにあるかが、誰が見てもわかるようになりました。
「採用管理」機能を、具体的にはどのように活用していますか?
岡田さん:面接の際は履歴書や面談表などの書類を複数印刷して面接官に連携する必要があり、担当者の工数が圧迫されていました。しかし現在、選考に必要な書類は適宜権限を付与しながら採用管理の画面に紐づけて表示・閲覧できます。いざ採用となったあとに雇用契約書などを送る際には文書配付の機能も活用しているため、ペーパーレス化が進んでいます。
また、採用管理の画面にメモを残せるのも大きな利用メリットの1つです。私が不在のときも、メモを共有することで誰でも応募返信などの一次対応が可能になりましたし、面接官の所感もメモで残せるため、採用に関わるメンバーの意思疎通が図りやすくなりました。
採用活動全体のリードタイムが1/3に短縮
「採用管理」機能の活用で得られた成果について教えてください。
菅沼さん:以前は求職者の応募から入社までに1か月半〜2か月かかっていました。それがSmartHRの「採用管理」機能を使い始めてからは15日~20日に短縮されました。
さらに、書類選考に約4日かけていたのが1.5日に短縮し、ペーパーレス化や入社手続きへの自動連携により応募者1名にかかる間接的な作業工数も1時間ほど削減できています。求職者が1人面接に進むと、面接官の数に応じて多いときには40枚近く関連書類を紙に印刷していましたが、現在はたった2枚で済むようになりました。
時間的にもコスト的にも、素晴らしい成果ですね。
菅沼さん:採用活動全体のリードタイムを短縮できたのは、業務のフローやステップを整えるのと同時に決めたルールを徹底したことも大きいです。書類選考は履歴書が届いてから翌日までに各部署の部長が対応するようにして、社内の会議室も採用面接を優先して使えるように働きかけました。
SmartHR「採用管理」機能の導入後は、課題だった社内の“温度感”にも変化を感じています。
たとえば、求人票をアップデートするための相談を関連部署に持ちかけると積極的に応じてもらえるほか、エントリーシートについて人事総務や家事代行チームのメンバーと話していると求職者の目線で「この項目は思い切って削除してみよう」などの意見が出てくるようになりました。
これまでは採用ステップが見えにくいうえ、部署ごとの仕組みや仕事のやり方が異なっていると、何も変わらないという先入観があったのかもしれません。今回の取り組みの結果、会社として採用活動を盛り上げていこうという雰囲気が徐々につくられてきているのを、たいへん嬉しく思います。
経営層を巻き込みつつ、SmartHRを人事制度改正の軸に
SmartHRで得られた成果について、社内からの反応はいかがですか?
菅沼さん:経営層から非常に前向きな反応をもらっています。さらなる利用拡大にあたっても「業務の効率化だけでなく人的資本経営のために必要」というフィードバックが社長からありました。
本来なら営業活動に投資を優先したいところ、従業員がストレスなく使えるかつ人事総務担当者への投資として捉えてくれていると思うので、期待に応えられるようにいっそう頑張るつもりです。
今後、お二人が取り組んでいきたいことを教えてください。
岡田さん:SmartHRの文書配付機能をさらに活用していきたいです。入社オリエンテーション時に配布する資料(例:会社のルールブック、人権研修など)トータル100ページほどの資料があるので、活用することで労務コストを削減しつつ、これまで以上にとことんペーパーレス化の取り組みを進めて、社内全体の業務効率化につなげていきたいと考えています。
菅沼さん:SmartHRの活用で捻出できた時間を使い、人事制度改正の準備を進めたいと考えています。家事代行事業の拡大と連動させる形で人事総務の体制を整え、従業員の柔軟な働き方を実現する。そのために人事制度の課題を洗い出し、SmartHRを使ってどう組み立てていくかの検討をしている段階です。
育児や介護など事情がそれぞれあったとしても、従業員が迷うことなく人事手続きができる仕組みづくりを目指して取り組んでいきたいと思います。
フローが定まって業務効率化するだけでなく、社内風土の変化にも寄与でき光栄です。本日は貴重なお話をありがとうございました!
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掲載内容は取材当時のものです。