「まずはAIに聞く」が新常識に。時間外対応・業務中断を大幅削減した、4,000名規模のコミュニケーション革命
| 社名 | コスモ石油販売株式会社 |
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課題
- 連絡手段が分散し、情報伝達が非効率だった
- 人事への問い合わせが多く、業務中断の負担が大きかった
- 業務上必要な従業員とのコミュニケーションの属人化が負荷になっており、本社集約が現実的でなかった
解決策
- 手続きや書類を電子化し、不備や差し戻しを防ぐ仕組みを導入
- メッセージ機能で人事と従業員が直接つながる仕組みを構築
- AIアシスタントで問い合わせ一次対応と自己解決を促進
効果
- 連絡の可視化により伝達精度と対応スピードが向上
- 問い合わせが減少し、人事の業務負担が大きく軽減
- 従業員の自己解決により、業務効率化と残業抑制を実現
石油製品の販売を中心に、全国で多様なエネルギーサービスを提供するコスモ石油販売株式会社。約4,000名規模の組織を運営するなかで、情報伝達や問い合わせ対応の非効率さが顕在化していました。
そこで同社はSmartHRを導入し、メッセージ機能によって人事と従業員が直接つながる環境を構築。さらにAIアシスタントの活用により、人事への問い合わせ前に「まずはAIに聞く」行動を推奨。問い合わせ工数の削減と業務効率化を実現しています。
その変化と具体的な活用方法について、同社の岡崎賢先さん、上田裕一さん、高橋陽子さん、牧野美穂さん、浅倉祥太さんに伺いました。
大きな負担だった情報伝達と問い合わせ対応
導入前は、どのような課題を感じていましたか?
上田さん:サービスステーション(ガソリンスタンド)で働く従業員は、正規・非正規を問わず会社のメールアドレスをもっておらず、連絡手段は店舗のメールアドレス、電話、口頭などさまざまでした。そのため、人事から従業員への情報伝達が円滑に進まないことが多くありました。
牧野さん:そもそもご本人にきちんと伝わっているのかが見えにくい状況でした。たとえば、産休・育休中の従業員にはメールを送っていましたが、既読かどうかがわからず、確認や再送が必要になり、業務が長引くことも多かったです。
岡崎さん:従来の人事業務の多くは、全国12か所に設けられた「カンパニー(※)」ごとに担当者が個別に対応していましたが、体制を見直すため、2025年4月から本社への集約を順次推進し、現在は「人事サポートセンター」として一括で対応しています。ただ、集約によって人事サポートセンターの人員が限られるなかで、4,000名規模の組織を支えるには、それまでのやり方では難しいと感じていました。
高橋さん:そこで、従業員と直接つながり、やり取りできる仕組みが必要だと考えました。あわせて、導入前までは週240件ほどあった問い合わせ対応の負担を軽減する目的もあり、2025年8月にメッセージ機能を、10月にAIアシスタントを本格的に活用し始めました。
※カンパニー:同社における、社内分社化された地域ごとの事業統括組織(一般的な「支社」や「エリア事業部」に相当)

問い合わせ対応の負担も大きかったのですね。
浅倉さん:勤怠や給与、各種制度に関する質問が日々多く寄せられていました。従業員自身では調べにくいこともあったのだと思います。人事だけでなく、現場の店長も従業員から質問を受け、その対応のために業務時間の多くが割かれている状態でした。
メッセージ機能で人事と従業員が直接つながる
そのような課題があったなかで、メッセージ機能は現在どのように活用されていますか?
牧野さん:社内ルールの周知や各種手続きの依頼・リマインド、書類提出のフォロー、給与に関する確認など、従業員への情報伝達全般に活用しています。
会社用メールアドレスをもっていないなどの理由で接点をもちづらかった従業員とも直接やり取りできるようになりました。新入社員に対しても、社宅の案内や引っ越し手続きなどをマニュアル付きで送れるため、非常にスムーズになりました。
岡崎さん:現場ではアルバイト採用の業務が大きく効率化されました。以前はサービスステーションの店長が書類を取りまとめて本社に提出していましたが、記入漏れや不備があり、何度もやり取りが発生していました。現在は、人事部が必要に応じて内定者に直接連絡できるため、店長による調整が不要になっています。
浅倉さん:導入前はアルバイト1人の採用にあたり、電話対応だけで1〜2時間かかることもありましたが、現在はほぼゼロに近い状態です。SmartHRで書類が電子化され、入力に不備がある場合は次に進めない仕組みになっているため、差し戻し自体も減りました。
また、既存の従業員にも一人ひとりに本社からの連絡が確実に届くようになりました。以前は店舗のメールアドレスに送るなど、店舗単位での共有に頼っていたため行き届かないこともありましたが、いまはアルバイトを含めて個別に直接届けられています。

どのような点に利便性を感じますか?
牧野さん:検索性が高く過去のやり取りをすぐに振り返れる点や、資料や画像をそのまま共有できるところが便利です。加えて、やり取りの状況が可視化される点ですね。既読がわかるため進捗を把握しやすく、次のアクションも取りやすくなりました。
高橋さん:返事が来なかった場合、もう一度メッセージを送るか、電話をするのかといった判断もしやすくなりました。その結果、連絡が途中で止まることも少なくなっています。
メッセージ機能の導入後、従業員からはどのような反応がありましたか?
牧野さん:運用が定着してきたタイミングで、従業員に対してアンケートを実施したのですが、活用の手応えを感じる声が多く寄せられました。メッセージ機能については、次のようなコメントが届いています。
「メッセージ機能」への従業員さまの声
- 「会社からの大事なお知らせが、すぐ手元に届く」
- 「育児休暇取得中でもメッセージが確認できました」
- 「休暇申請など受付の確認ができる。月締めしたことの連絡が来て便利」
- 「新年度の扶養手続きのお知らせがあったのが助かりました」
- 「重要連絡などを伝えてくれるので、助かっています」

牧野さん:個別の手続きの案内から重要連絡まで、人事からの情報が一人ひとりに確実に届くようになっていることが、アンケート結果からも見えてきました。

AIアシスタントで従業員が「自己解決する」ケースが増加
AIアシスタントはどのように活用されていますか?
牧野さん:就業規則や各種制度、システムの操作方法などに関する問い合わせの一次対応として活用しています。
浅倉さん:導入後、最も大きな変化は、従業員の行動が変わったことです。これまでは、不明点があるとすぐに人事に問い合わせがきていましたが、現在は「まずはAIに聞く」という行動に変わってきています。従業員が自分で確認し、それでも解決しない場合に問い合わせるという流れができました。
たとえば、勤怠システムの使い方や有給休暇の残日数、各種手当、休暇制度に関する質問は繰り返し問い合わせがきていた内容ですが、現在はAIアシスタントで従業員が自己解決するケースが増えています。
高橋さん:導入前に毎日のように寄せられていたのが、勤怠システムや個人情報管理システムのパスワードロックに関するもの。ですが、それらも大きく減りました。
人事の業務負担に影響はありましたか?
浅倉さん:体感としては、大幅に軽減されています。これまでは電話で問い合わせが入るたびに手を止めることになり業務が中断していましたが、現在はそうした割り込みがだいぶ減りました。サービスステーションは365日稼働しているため、土日や休日にも問い合わせが発生していましたが、従業員が自分で調べられるようになったことで、やむを得ない休日対応もほとんどなくなりました。
高橋さん:従業員にとっても、手軽に調べられる環境が整ったことは大きいと思います。たとえば退職に関する内容などは人には聞きづらい側面もありますが、AIアシスタントであれば気兼ねなく確認できます。こうした変化により、社内制度の疑問や手続きに対する迷いが減り、働きやすさの向上にもつながっていると感じています。
牧野さん:AIアシスタントは操作方法も直感的に理解しやすいし、回答の精度も高いと思います。就業規則や社内規程、システムのマニュアルなどの文書を読み込ませることで、それらにもとづいた回答が出てくるので、安心して利用できます。
AIアシスタントについても、従業員から具体的な反応はありますか?
浅倉さん:メッセージ機能と同様にアンケートでも声が寄せられており、AIアシスタントについては、具体的にどのような場面で活用しているかが見える内容が多くありました。
「AIアシスタント機能」への従業員さまの声
- 「いつでも気軽に質問できて助かる」
- 「回答が早く、 待ち時間が減った (即時回答)」
- 「先月の残業申請の漏れの対応の仕方がわかって、助かりました」
- 「規定を開いて探さなくても、 交通費や副業に関する疑問を解消できました」

浅倉さん:交通費や副業、忌引休暇、残業申請など、従業員が日常的に直面するさまざまな場面で「AIに聞いて自己解決」という行動が定着してきていることが、コメントからも伺えます。これまで問い合わせとして届いていた内容が、現場でしっかり自己解決されているのは大きな変化だと感じています。
コミュニケーションの変化と業務効率化
SmartHRの活用を通じて、全体的には何か変わりましたか?
牧野さん:AIアシスタントによって問い合わせ件数が減りました。さらにメッセージ機能によって、人事と従業員が直接やり取りできるようになり、コミュニケーションの経路がシンプルになってきていると思います。
とくに大きな変化は、従業員と人事の距離感が近くなったことです。人事業務を本社に集約し、メッセージ機能の導入によって全国のどの拠点の従業員ともコミュニケーションが取れるようになりました。
上田さん:コミュニケーションがスムーズになったことで、現場・人事ともに、本来取り組むべき業務により集中できるようになってきています。効率化によって対応できる業務の幅も広がり、結果として残業の抑制にもつながっているのではないかと考えます。
また、SmartHRの導入により各種手続きや書類の電子化が進み、これまで紙で回収していた業務もオンラインで完結できるようになりました。データが一元管理され、やり取りの履歴も残ることで、状況の把握や、適切に手続きされているかの確認もしやすくなりました。組織としてあるべき姿に近づいたと感じています。


活用を進め、従業員の自立と迷いのない運用を実現
今後、SmartHRをどのように活用していきたいですか?
岡崎さん:2026年4月から人事業務の集約が本格稼働するなかで、効率化をさらに進めつつ、SmartHRの活用をいっそう深めていきたいと考えています。これまで人事担当者に頼っていた申請や手続きについても、従業員が自立して完了できるような環境を整えていきたいと思っています。
また、AIアシスタントの活用を通じて得られた副産物として、社内規程の改善点が見えてきたことは収穫です。規程が曖昧だと回答も曖昧になり、従業員が調べてもわかりにくい場合もあると思います。
こうした点を踏まえて規程やルールを随時見直しながら、より明確でわかりやすい内容へと整備していきたいと考えています。それにより、従業員が迷わず判断できる運用につなげていきたいですね。

「従業員が迷わず判断できる運用」の実現に向けて、私たちも引き続き伴走させていただきます。本日は貴重なお話をありがとうございました!
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掲載内容は取材当時のものです。
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