年間108時間分の転記工数を削減。3拠点、39種の申請書をSmartHRで標準化
| 社名 | ダイコー化学工業株式会社 |
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課題
- 拠点ごとに申請書の様式や運用が異なり、全社での標準化ができていなかった
- 紙の申請に伴う転記・保管・社内便など、アナログな周辺業務の負担が甚大
- 稟議の進捗が不透明で、停滞箇所の把握や確認作業が大きな心理的負担に
解決策
- 3拠点の申請書39種類を棚卸しし、データの性質にもとづいた統合方針を策定
- SmartHRをプラットフォームと位置づけ、全社共通の申請・承認フローを整備
- 従業員へ丁寧に説明し、申請のペーパーレス化のメリットを共有
効果
- 手書き情報の転記作業を全廃し、年間108時間相当の管理部門工数を削減
- 年間6,500枚の紙を削減し、社内便や書類保管にかかる物理的コストも解消
- 申請の進捗がリアルタイムで可視化され、進捗確認のストレスと停滞を払拭
ダイコー化学工業株式会社は、合成樹脂製品の企画・開発、設計、製造、販売までを一貫して手がける化学メーカーです。
浜松事業所(本社)、名古屋事業所、東名工場の3拠点に約180名の従業員が勤務する同社では、拠点ごとに申請書の様式や運用が異なり、紙の回覧・転記・保管や進捗確認に大きな手間がかかっていました。
そこでSmartHRの「汎用申請」 を活用。そして、申請書39種類の棚卸しとフォーマット統一を推進。試算で紙6,500枚相当の削減や、進捗の見える化を実現しました。その背景にはどのようなプロセスと工夫があったのか、総務部システム課の石黒秀一さんに伺いました。
ミッションは「ペーパーレス化」と「標準化」——情報システム部門発で申請業務の改善へ
汎用申請導入のきっかけを教えてください。
石黒さん:2023年、システム部門の担当役員から「ペーパーレス化」と「標準化」がミッションとして掲げられました。これを受けて、私の方で「達成に向け、まずはワークフローを改善したい」と考えたのがスタートです。
まず、打ち手として「申請業務のペーパーレス化と標準化」にフォーカスを当てました。
住所変更から通勤経路まで。拠点ごとの「独自様式」が招いた、二重入力と情報の過不足
申請業務において、具体的にどのような課題がありましたか?
石黒さん:従業員情報にまつわる申請書だけで、約20種類が存在していました。加えて、拠点により別々のフォーマットで運用されていました。
たとえば、従業員本人の情報を登録する書類には「住所」や「通勤経路」を記入します。しかし、扶養家族を申請する書類にも同様の項目があり、同じ情報をそれぞれの申請時に記入を求める形式になっていました。
これまではなかなか過去の申請書の項目を見直すところまでは手が回らず、似たような項目が積み上がってしまったのだと思います。
なぜ拠点ごとにフォーマットが異なっていたのでしょうか?
石黒さん:弊社は、各拠点に総務部が設置されており、それぞれが状況に応じた申請書を作成していました。申請業務を本社の管理部門で取りまとめるようになってからも、全体的な見直しをする機会がないままになっていました。
各拠点内では問題なく運用できていても、フォーマットがバラバラだと、管理部門で取りまとめる際に、情報の過不足が生じます。その都度、メールや電話で情報を補完する必要があり、管理部門の負担になっていました。
また、紙の運用では、申請書類の承認がどこまで進んでいるのか状況が見えづらいという課題もありました。
たとえば、仕入先との交渉で「特価だが有効期限が短い見積書」が出ることがあります。購入に関する稟議書を急いで承認してほしいわけですが、なかなか進まない。申請者が承認者に問い合わせたところ、別の承認者のところで止まっていた——非効率なうえに、その問い合わせアクション自体に心理的負担を感じるシーンも多いと聞いていました。
ほかにも、製造部門の工場などでは、普段勤務している棟から申請書類が常備されている棟まで自転車で移動するくらいの距離があったり、各拠点から管理部門へ、管理部門から保管の倉庫へ、などと書類が動いていたり、紙の物理的な行き来が目に見えない負担になっていました。
「プラットフォーム化」を実現できる拡張性に期待してSmartHRを採用
SmartHR導入の決め手を教えてください。
石黒さん:もともと利用するサービスはできるだけ1つに集約したいと考えていました。
従業員にとっても管理者にとっても、複数のシステムを行き来するのは手間です。その点でSmartHRは、従業員側の視点では、サインインが1回で済んで楽ですし、管理者の視点でも、マスターが1つにまとまることや、申請の画面を作る際など基本となる従業員情報を参照しやすいといったメリットがあり、運用を組み立てやすいと感じました。
つまり、SmartHRを起点にして社内の申請や人事関連の業務を集約した「プラットフォーム化」を実現できると考えました。
検討当時はまだ、汎用申請のリリース前だったのですが、従業員情報申請のカスタマイズ性を見て「これだけでも必要な申請書は作れそうだ」と感じました。その後、汎用申請の提供予定をお聞きし、さらに幅広くワークフローを整備できる見通しが立ったことが後押しにもなりました。
社内での承認はスムーズに進みましたか?
石黒さん:経営層として気になるのは、やはりコスト面です。上申の際には、単にSmartHRの導入コストだけではなく、紙代・印刷代・転記作業・回覧にかかっている工数も含めた費用対効果を説明しました。
また、全社目標である「ペーパーレス化」「標準化」に寄与する取り組みであることを強調しました。
「今ある紙、すべて見せてください」。徹底した棚卸しから見えた、統合へのロードマップ
——運用開始に向けて、まず何から着手されましたか?
石黒さん:SmartHRの運用開始前に、まずは現状の棚卸しからスタートしました。半年ほどかけ、3拠点すべてに「今使っている申請書を紙でもPDFでもいいので、すべて提出してください」とお願いしました。
結果、基本的な従業員情報に関する申請書が20種類、それ以外の稟議、たとえば、海外出張申請、購入許可申請、捺印申請といった申請書が19種類、合計で39種類が存在していることがわかりました。
石黒さん:集まった申請書をひとつずつひも解き、表計算ソフトで一覧表にまとめました。
SmartHRの従業員情報申請でカバーするものと、汎用申請でカバーするもの、現状は紙を継続するものと、廃止するものに分類しました。そして、SmartHRに移管する申請書については、承認ルートを一覧化し、拠点ごとの項目の差異も比較しました。
初期の取りまとめ自体は1か月程度で完了し、その後は、各拠点との毎月の打ち合わせで不明点を明らかにしていきました。
「そもそも」の議論で足踏みしないよう進め方を工夫
フォーマットを統一する過程で、どのような工夫をされましたか?
石黒さん:「この項目は本当に必要か」という議論を書類一つひとつに向き合ってしまうと、議論に時間がかかり前へ進めなくなってしまいます。そこで、減らすことよりも必要なものは足していく方針にしました。
たとえば、A拠点にしかない項目であっても、新しい全社用のフォーマットにもその項目を残しておく。必須項目は最低限にしつつ、既存の書類の項目が必要な人はそのまま使えるようにしました。
ペーパーレス化に対する社内の反応はいかがでしたか?
石黒さん:弊社は、紙文化が長く根付いていました。ですので、ポジティブな反応だけでなくネガティブな反応が出ることも想定し、急進的に進めるのではなく、少しずつ浸透させていく方針を取りました。
たとえば、ペーパーレス化の影響が大きい関係者には時間を取って説明したり、「必要に応じてデータをエクスポートし、従来の表計算ソフトでの運用にも寄せられますよ」という話もしました。
これまでの運用を否定するのではなく、「データ化すると何が楽になるか」を具体的に伝えることを心がけました。あとは「分からないことは何でもシステム課に聞いてください」というスタンスで、相談しやすい雰囲気を作るようにしました。
紙と工数削減と同時に「進捗の可視化」がもたらした現場のゆとり
導入後、どのような効果を実感されていますか?
石黒さん:従来は、提出された紙の申請書を目で見ながら表計算ソフトへ転記して管理していましたが、その転記作業を廃止できました。
弊社では現在、約180名がSmartHRを利用していますが、1人あたり月に3回、何かしらの申請をすると仮定すると、年間で6,500枚分の紙を削減できている計算になります。さらに、それらを転記する作業に1枚あたり1分かかるとして、年間で108時間分の工数を削減できた計算です。申請者側の入力時間においても、手書きと比較して1枚あたり平均3分の短縮効果が見込まれます。
石黒さん:また、物理的な負担も減らせています。紙の申請書を保管するためのスペースが不要になりましたし、拠点間を往復していた社内便の負担もなくなりました。
以前は、各拠点から管理部門のある拠点へ書類を送り、処理が終わったら保管用の倉庫へ送る流れでした。この物理的な行き来がなくなったのは大きいです。
また、申請書を取りに行くための移動もなくなりました。工場などでは、普段の勤務場所から書類が置いてある事務棟まで数百メートル離れていて、構内を自転車で移動して書類を取りに行く人もいたくらいです。今は自席ですべて完結できます。
社内からの反応はいかがでしたか?
石黒さん:従業員からは「紙の申請書よりも記入が楽になった」。管理部門からは「申請の進捗がリアルタイムで分かるのがうれしい」という声を聞いています。
以前は、稟議が「どこで止まっているか」が分からず困ることがありました。今はSmartHR上で進捗を追えるので、ピンポイントで該当する方に確認できるようにもなりました。
人事データを「活用可能な資産」へ。AI時代を見据えた次なる一手
——今後はどのようなことに取り組んでいきたいとお考えですか?
石黒さん:現在、勤怠のペーパーレス化、標準化に取り組みはじめています。3拠点のうち1拠点は以前から勤怠システムを使っていますが、他の2拠点は紙で運用しています。SmartHRにまとめることで、効率化できる余地は大きいと考えています。
紙ではなくシステムを使う、社内で使うプラットフォームを1つにまとめる。そして、会社の情報をデータとしてもっておくことができれば、蓄積された過去の情報を検索して活用できます。今後はAIを使って仕事をしていく上でも重要になるでしょう。そうした「データの必要性」を経営層へ伝えることもまた、情報システム部門の役割ではないかなと考えています。
SmartHRは人事労務を中心に、幅広い領域に対応している製品ですので、これからも「会社の情報のプラットフォーム」として期待しています。
申請書類の個別最適を全社標準に変えた石黒さまをはじめとしたシステム課主導の改革は、多くの企業のモデルケースとなるはずです。本日はありがとうございました。
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掲載内容は取材当時のものです。
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