公開日:2026/05/15
SmartHRと個人開発者が挑む、BtoBエコシステムの未来
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目次

〜人気アプリ『Googleスプレッドシート連携』開発の裏側〜
すぐれたアイデアを持つ個人開発者が、もっと自由にビジネスを拡大できる場所をつくりたい。 SmartHR Plus(※1)はそんな思いから、個人開発者が開発したアプリの有料販売という新たな挑戦をはじめました。
その第一弾となるのが、人気アプリSmartHRの『Googleスプレッドシート連携』です。 「きっと相手にしてもらえないだろうな」と思っていた1人の個人開発者のアイデアが、どのようにして4,800インストール(※2)を超えて利用される「業務基盤」となり得たのか。
開発者の谷さんとSmartHR Plus担当者が語る、アプリ開発の裏側にある、SmartHR Plusチームの徹底した支援体制と、BtoBビジネスの新たな可能性とエコシステムの未来に迫ります。
※1:SmartHRをもっと便利に活用するためのアプリストア ※2:2025年12月時点
谷 豪紀
SmartHRの連携アプリ『Googleスプレッドシート連携』の開発者
2017年より、統合型クラウド会計ソフトを提供するフリー株式会社にて、導入コンサルタントやプロダクトマネージャーを担当。その後、フリーランスのプログラマーやデジタル庁のプロダクトマネージャーを経て、株式会社datableのセールスエンジニア責任者を担当。現在はSaaS企業向けのデモプラットフォームのPLAINER株式会社でプロダクトマネージャーを務める。またAPI連携を活用した、BtoBの業務効率化アプリの設計・開発を得意とし、個人でのアプリ開発も行っている。
向高 立一郎
株式会社SmartHR プラットフォーム事業部 アライアンス統括部 マネージャー
株式会社NTTデータに入社。SEとして地銀システムの機能追加開発に従事。2015年2月に外資系メーカーに入社し、大手ディストリビューター担当セールスを経て、セールスマネージャーに就任。2019年7月よりSmartHRの事業開発グループにてパートナービジネスの立ち上げに従事。2025年7月よりアライアンス統括部の部長を務め、SmartHR Plus全体の新規アプリアライアンス、アプリ販促に関する戦略・実行を担っている。2025年7月より現職。
始まりは、1人の開発者の「もっと便利にしたい」という熱意からでした
まずは、谷さんがSmartHRの『Googleスプレッドシート連携』を開発することになったきっかけを教えてください。

私は普段、IT企業のセールスエンジニア責任者として技術面から営業をサポートするかたわら、副業や趣味の一環としてさまざまなSaaS企業のAPI連携サービスを開発しています。 開発のきっかけは、前職でクラウド会計ソフトの開発に携わっていた際、クラウドで協働できるスプレッドシートの利便性を痛感していたことでした。世の中には表計算ソフトとのCSV連携はあっても、Googleスプレッドシート連携機能がないクラウドサービスが意外に多く、「もったいないな」と感じていたんです。
SmartHRにおいても、「人事・労務担当者の方が従業員データを一覧表形式で見たい」といった業務ニーズが必ずあると確信していました。スプレッドシート連携機能があれば、SmartHR本体の機能だけでは対応しきれない、個別業務の小さなニーズもすくい上げられるはずだ。そう感じてSmartHRさんのサイトにあるメールフォームからご連絡したのが始まりでした。
当時、SmartHRではCSVダウンロードは可能でしたが、スプレッドシート連携機能はなく、実はお客さまからの要望もそれほど多くはありませんでした。 しかし、谷さんから「前職のクラウド会計ソフトのアプリストアで連携アプリを成功させた実績」をお聞きしたとき、「これはSmartHRのお客さまにも活用いただけるのではないか」という仮説が自然と浮かんだんです。
SmartHRとしても、以前から「ユーザー企業さまの小さなニーズまでしっかりすくい上げたい」という思いを持っていたことから、すぐに連携プロジェクトを進めることになりました。
谷さんが最初に問い合わせをしたときは、どのような心境でしたか?
正直なところ、「きっと全然相手にしてもらえないだろうな」と思いながら問い合わせをしたんですよ(笑)。チャンスをもらえたとしても、まずは1年、2年と時間をかけて実績を作り、信頼関係ができたら新しい提案をしよう……くらいに考えていました。
でも実際は、個人開発者の私にも隔たりなく、ものすごい熱意を持って接してくださったので驚きました。ユーザーヒアリングをしてくださったり、サービスのプライシング(価格設定)を一緒に考えてくださったり。サードパーティーアプリの個人開発者に対して、ここまで親身になってくださるケースは初めてだったので、いい意味で戸惑いましたね。「こんなに動いてもらって大丈夫かな」って心配になるくらいでした。
4,800インストールを記録。 なぜSmartHRは「個人の力」を必要とするのか

SmartHR Plusはなぜ今、谷さんのような個人開発者との連携を本格化させるのでしょうか?
SmartHRは「well-working」を掲げ、労務領域から人事領域まで、労働にまつわるあらゆるお悩みを解消できるサービスを目指しています。 それを実現するために私たちプラットフォーム事業部が常日頃から考えているのは、「ユーザーの小さなニーズまで徹底的に汲み取りたい」ということです。しかし、SmartHR本体の開発チームではコストや優先度の制約があり、どうしても「小さくニッチなニーズ(ロングテール)」までは手が届かないのが実情です。
こうした課題を解決するのが、個人開発者のみなさんのアイデアです。現場で生まれる小さな課題に気づく視点は、現場に接する機会の多い個人開発者のみなさんの中にこそ眠っているのではないか。今回SmartHRの『Googleスプレッドシート連携』の企画から開発、そしてリリース後に4,800インストールという大きな反響を目の当たりにして、その仮説は確信に変わりました。だからこそ、個人開発者コミュニティを活用したアプリ開発に力を入れ、たくさんの才能が開花する場をつくりたいと強く考えるようになったのです。
個人開発者が「法人取引の壁」を超えるための、3つの支援体制
個人開発者が法人とビジネスをする際、信用やサポート面でハードルがあります。SmartHRとしてどのような環境を用意しましたか?
個人開発者が単独で超えるには高い壁がいくつかあります。私たちは、開発者が「ものづくり」に集中できるよう、以下の3つのサポート体制を構築しました。
- 決済基盤や契約・法務の整備
SmartHR Plus内で課金・決済フローを新たに整備しました。これにより、法人のお客さまはSmartHR Plusの基盤を通じて安心して決済ができ、個人開発者と直接契約する手間や不安を解消しています。また、利用規約やセキュリティ基準もすべて見直し、企業独自のセキュリティチェックシートにも対応できる準備を整えました。
- ユーザーからの問い合わせサポート
個人開発における大きな懸念が「問い合わせ対応」です。開発とサポートを一人で行うと、開発リソースが削がれてしまいます。そこで、ユーザーさまからのお問い合わせ対応をSmartHR側で行う仕組み(一次受けなど)を構築し、サポート対応が開発者の負担にならないようにしました。
- 営業・マーケティング支援
アプリの成功には、カスタマーサクセスやセールスのノウハウが不可欠です。今回の連携でも、弊社のカスタマーサクセスメンバーと直接、谷さんを含めてディスカッションを行い、「ユーザーが本当に求めている機能」を洗い出しました。
こうしたサポートを受けて、谷さんはどう感じましたか?
8割方開発したタイミングで、SmartHRさんから機能面やセキュリティ面の審査をしていただきました。 個人開発だと、自分で一通りチェックしていても「本当に大丈夫かな?」という不安が拭いきれないものです。私は他社プラットフォームでもアプリ開発をしていますが、ここまでユーザー目線でしっかりとチェックいただいたことは初めてでした。これまでにないくらい安心してアプリをリリースできたのは、SmartHRさんの基盤があったからです。
また、お客さまのニーズをこまめに共有いただけたのも大きかったですね。「この部分で困っているんだ」「この業務を自動化したいんだ」という生の声を知ることで、自分の固定観念がアップデートされ、結果としてより良いプロダクト開発につながったと思います。
技術力よりも「課題解決力」。SmartHRでの開発体験
開発環境についてもお聞かせください。技術的なハードルは高いのでしょうか?
初めてSmartHRさんの公開APIドキュメントを見たとき、「非常に充実しているな」と感じました。OAuth(オーオース ※3)というグローバルなAPIの仕組みを使って基盤が整えられており、認証フローも分かりやすかったため、アイデアを思い立ってから1週間もかからないうちにテストアプリを開発できました。
連携アプリの開発には、必ずしも「ずば抜けたプログラミングスキル」が必要とは限りません。私も技術力というよりは、お客さまの業務を深く理解し、APIを活用して課題を解決することを得意とするタイプです。 SmartHRさんのAPIには、開発者がつい見落としがちなセキュリティ面や権限周りの仕組みが最初から整っています。そのため、高度な技術力でゼロから基盤を作るというよりは、「どう使えばユーザーが喜ぶか」というアイデアの実装に集中できる環境だと感じました。
※3:インターネット上のサービスどうしが安全に情報をやり取りするための仕組み
あなたのアイデアが、次の「大ヒットアプリ」になる
最後に、SmartHR Plusでの開発に興味を持っている方へメッセージをお願いします。
今後は、有料化による収益を原資として、SmartHRのデータを元にしたレポートや各種Googleサービスとの連携に取り組むことを検討しています。これが実現すれば、スプレッドシートがSmartHRのデータを一元管理する「ユーザーマスターの橋渡し」となり、さらに活用の幅が広がるはずです。
SmartHRは、人事・労務関連のクラウドサービスの中でも群を抜いて多くの情報を持っているサービスです。人に関するデータはあらゆるサービスの起点になりますから、アイデア次第で無限の可能性があります。人事・労務の専門知識がなくても、お客さまのニーズと向き合えば良いアプリは作れると信じています。ぜひSmartHRの基盤を活用して、新しいアイデアにチャレンジしてほしいですね。
SmartHR Plusのアプリ数は現状で70ほどですが、労務領域のあらゆる課題を解消するためには、これを100、200と増やしていく必要があります。 私たちは、才能ある個人開発者のみなさまと一緒にこのビジョンを実現したいと考えています。開発者のみなさんを表彰するアワードイベントなども通じて、新しいビジネスのアイデアが生まれるコミュニティを育てていくつもりです。
また、私たちは、個人開発者のみなさまに、その才能に見合った「収益」を上げていただきたいと本気で思っています。 SmartHR Plusで開発したアプリが沢山のお客さまに使われ、本業以外の収益の柱となり、開発者としての人生が変わっていく。そんなサクセスストーリーを、ぜひこの場所から生み出してください。 大企業が着手できない小さなニーズを、個人開発者の皆さんのアイデアと熱意で解決してください。SmartHR Plusで、お待ちしています。
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※掲載内容は取材当時のものです。
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有料版提供開始のお知らせ
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『Googleスプレッドシート連携』無料提供の終了と有料版提供開始のお知らせ
『Googleスプレッドシート連携』の有料版は2026年5月21日にリリース予定です。
SmartHRをご利用中のお客さまは以下よりお申込みください。
SmartHR コラム編集部
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