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公開日:2025/12/01

顧客要望から誕生したサンクスカード「THANKS TANK」とは?

目次

2025年6月にリリースされたSmartHR専用のサンクスカードアプリ「THANKS TANK(サンクスタンク)」。シンプルなUI・UXが好評で、リリースから3か月という短期間で沢山のお問い合わせをいただいています。

SmartHRでは、お客様のご要望を形にするプロダクトづくりに力を入れており、THANKS TANKもその一つです。開発パートナー企業として同プロダクトの企画から開発、営業まで手がけるテクバン株式会社の濱野さん、外川さんに、開発の背景や機能へのこだわり、今後の展望などを伺いました。

SmartHR PlusのTHANKS TANK機能の画面。感謝メッセージを送り合えるタイムラインが表示されている。

会社概要
社名:テクバン株式会社
代表取締役社長:髙松 睦夫
事業内容:システムインテグレーション・プロダクトサービス・ビジネスアウトソーシング・システム品質サービス
本社:東京都港区海岸3-20-20 ヨコソーレインボータワー4階

濱野 勇太の写真
インタビュイー

濱野 勇太

テクバン株式会社 プロダクトサービス事業本部 営業5部 部長

外川 智成の写真
インタビュイー

外川 智成

テクバン株式会社 プロダクトサービス事業本部 ITサービス4部 2課 課長

酒井 翔平の写真
インタビュアー

酒井 翔平

株式会社SmartHR プラットフォーム事業部

シンプルで、誰もが使えるサービスを目指して

濱野さん:

THANKS TANKは、サンクスカードを送り合うクラウドサービスです。一緒に働く同僚に、対面ではちょっと言いにくい「ありがとう」を伝えたい。これまで指導してもらった上司に、あらためて感謝の気持ちを伝えたい。こうした場面でTHANKS TANKを使えば、クラウド上で気軽にサンクスカードを送り合えます。サンクスカードを送ると相手にはメールで通知があり、カードを確実に届けられます。

ありがとうの実績を確認できるダッシュボードには、組織全体で月に何件カードが送られているのか、誰に対して送られたカードが多いのかがグラフ表示されていて、「ありがとうを可視化」できます。また、タグ付け機能を使えば、例えばサンクスカードに「営業活動」、「手続き関連」といったタグを付けることも可能です。タグにより「私は営業活動でよく感謝されているんだ」という様に、ありがとうに対する意味合いやスキルの可視化にもつながります。

SmartHR PlusのTHANKS TANK機能の画面。感謝メッセージカードを作成・編集するためのモーダルウィンドウが表示されている。
感謝メッセージ機能の利用状況確認画面。利用状況、送受信数、いいね数が月別の棒グラフで表示されている。
外川さん:

THANKS TANKのコンセプトは「ありがとうで会社を満たす」です。誰かが送っているサンクスカードを見て、誰かに伝えたかった「ありがとう」を思い出す。サンクスカードの内容から「あの人ってこんなことが得意なんだ」と気づいて、コミュニケーションを取ってみたり、新しいプロジェクトが立ち上がる。そんな「ありがとうの循環」が起きたらいいなという思いを込めて開発を進めました。

THANKS TANKの特徴と導入効果を図解したインフォグラフィック。感謝の伝達、流通の可視化、簡単な導入の3点が示されている。
濱野さん:

他の人の「ありがとう」を見ることにも価値があるという思いから、現時点ではあえて閲覧制限は設けませんでした。THANKS TANKのトップ画面ではタイムライン形式で、全従業員のサンクスカードがずらっと並んでいます。送るのも受け取るのも楽しみになるようにと、テンプレートのデザインも沢山ご用意しました。

THANKS TANKのタイムライン画面。さまざまなデザインの「Thank You」や「ありがとう」などの感謝メッセージカードが一覧表示されている。
濱野さん:

「ありがとうの循環」を起こすためには、サンクスカードを気軽に送れることが大切です。そのため、送るまでのステップをなるべく簡単にすることにこだわりました。

THANKS TANKはSmartHRと連携しているので、SmartHRに登録されている従業員データをそのまま使えます。複雑な初期設定は発生せず、新しく従業員データを登録する必要がないので、契約から2〜3営業日というスピードで利用を開始できます。あとはメッセージを書き、カードを選んで送るだけというシンプルなステップです。

THANKS TANKの利用開始までの申し込み手続きを説明したフロー図。5つのステップがアイコンと共に縦方向に示されている。

シンプルさと同じくらいこだわったのが、「誰もが使える」という点です。初見でも直感的に使い方がわかるUI/UXを徹底し、パソコンやスマートフォンといったデジタルデバイスに馴染みがない人でも簡単に使えるアプリを目指しました。

もちろん、チャットなどでも「ありがとう」を送れます。ただ、それだけではどうしても流れていってしまって、あとで振り返るのは難しくなります。「ありがとう」を組織レベルで集約して、形に残しておける。THANKS TANKの価値はそこにあると思っています。

提携ではなく「0から開発」にこだわった理由

外川さん:

2020年頃、テクバンではクラウド系のSaaSべンダーさんとの協業を目指して営業活動をしていました。SmartHRさんとのお付き合いがはじまったのも、その頃のことです。もともとSmartHRさんでは外部ツールを使ってデータ連携の仕組みを作っておられたのですが、それではユーザーさんのニーズにフィットした機能を提供できないことも多かったんです。こうしたなか、テクバンがスクラッチでのデータ連携の仕組みづくりを提案したことから、協業が始まりました。

THANKS TANKの開発にお誘いいただいたのは、SmartHR Plusのベータ版がリリースされた2023年頃のことでした。プロダクトを一緒に作るという点では、初めての取り組みです。データ連携の開発における実績や、大手企業への対応力を評価していただけたのだと、非常に嬉しかったのを覚えています。

酒井:

実はSmartHRの顧客から、「サンクスカードを作ってほしい」というご要望を沢山いただいていました。従業員同士のコミュニケーションを活性化させたい。称賛文化を作りたい。紙で運用しているサンクスカードを効率化したい。THANKS TANK開発の背景には、こうしたご要望をなんとか形にしたいという思いがありました。

SmartHRとしても、従業員エンゲージメントの向上に寄与するサンクスカードアプリの開発に関心がありました。大手企業への開発および支援実績が豊富にあるテクバンさまであれば、SmartHRが保有するデータ等を活用した魅力的なプロダクトを作り、ご提供できると思いました。

SmartHR PlusのTHANKS TANK機能の画面。感謝メッセージカードを作成・編集するためのモーダルウィンドウが表示されている。
外川さん:

プロジェクトが始まってからは、2〜3か月の要件定義を行った後に開発に入りました。THANKS TANKは、リスクマネジメントの観点からウォーターフォール開発を選びました。開発の優先順位を管理する製造工程に入ってからは、徐々にアジャイル開発を取り入れています。

酒井:

すでにサンクスカードツールを提供している会社と提携するという選択肢も考えました。ただ、既存のサンクスカードツールは機能が非常に豊富である一方で、こうした機能を使いこなせない、費用対効果が合わない、といった顧客の声が多かったんです。顧客が求めているのは、シンプルで誰もが使いやすく、リーズナブルなサンクスカードツールです。これを実現するためには、既存ツールの運営会社と連携して「機能を省いてください」という交渉をするよりも、0から開発したほうが顧客が求める内容であり、顧客課題を解決できると考えました。

また、連携する事業者によってはサポート体制に不安があったり、大手企業の支援実績が少なかったりする場合もあります。将来的に大手企業への提供も想定しているため、大手企業へのサポートができるパートナー企業と組みたかったという背景もあります。

我々はSmartHR PlusというSmartHRをご利用中の顧客専用のBtoBのアプリストアを運営しており、外部のパートナー企業との連携の下、様々なアプリケーションを提供しています。その仕組みや考え方にご理解いただけるパートナー企業であるというのも、必須条件でした。こうした様々な観点の検討を経てテクバンさまとの提携が決まり、THANKS TANKが生まれました。

顧客要望発のプロダクト・サービスをもっと生み出したい

濱野さん:

THANKS TANKは2025年6月にリリースされましたが、リリース直後から20件近くのお問い合わせをいただきました。「まさにこういうサービスがほしかったです」、「シンプルで使いやすそうですね」というポジティブなフィードバックが想像以上に多く、励みになりましたね。それ以降も月に10件ほどのお問い合わせを継続的にいただいており、追加機能の開発などに取り入れています。

酒井:

SmartHRの顧客からは、実現したいことに向けた機能や仕組みを提供できている点や良心的な料金設定、シンプルさ・使いやすさをご評価いただいています。当初は想定していなかった層の顧客からも導入希望のお問い合わせをいただいているのは、嬉しい誤算でした。顧客からは「こんな機能がほしい」、「自社のこんな課題を解決できないか」といった強いご期待をいただいており、まさに顧客と一緒に作るプロダクト・サービスになっていると感じています。

外川さん:

今後は「ありがとうで会社を満たす」というコンセプトへの共感を超えて、数値に見える効果も追求していきたいと考えています。単にサンクスカードを送るツールというだけではなく、データの分析・活用機能も充実させていきたいです。具体的にはデータの集計範囲・期間・対象者などを用途に合わせて変えられる機能の実装を予定しています。

濱野さん:

リリースから約2か月が経ち、顧客からの声も集まってきました。こうした声を反映して、グループや部署単位でサンクスカードを送れる機能や、カードの受信通知を1週間分まとめられる機能カードの公開範囲をカスタマイズできる機能なども順次開発していければと思っています。

THANKS TANKが着実な効果を上げている今、SmartHRさんとは新しいアプリ開発の検討も進んでいます。今後も顧客の声を反映したプロダクトを積極的に開発していきたいと考えています。

酒井:

SmartHRの顧客からは、「こんなアプリをつくってほしい」というご要望を沢山いただきます。どのご要望もSmartHRを隅々までご活用くださっているからこそいただけるご要望です。こうしたご要望を形にしたいという思いから、SmartHRはTHANKS TANKをはじめ、顧客のご要望を基にプロダクトをいくつか開発・提供してきました。また、これからも顧客と一緒にSmartHRをより便利にご活用いただく為のプロダクトをご提供していきたいと考えておりますので、ぜひお気軽にご要望をお寄せください。

新しいアプリ開発・提供に伴い、開発パートナー企業も募集しています。顧客に寄り添うTHANKS TANKの様なプロダクトを生み出しつづけるには、プロダクト毎に適した開発パートナー企業との連携・パートナーシップが必要です。弊社と共同でプロダクト開発・サービス提供にご関心のある開発パートナー企業のお問い合わせをお待ちしております。

(左から、テクバン株式会社 濱野さん、外川さん)

※掲載内容は取材当時のものです。

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SmartHR コラム編集部

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