公開日:2025/12/09
多要素認証とは?二要素認証との違い・メリット・導入ポイントを解説
目次
リモートワークやクラウドサービスの普及に伴い、従来のパスワードだけでの対策に、不安を感じる方も多いのではないでしょうか?
サイバー攻撃は巧妙化しており、もしIDやパスワードが漏えいすれば、従業員の大切な個人情報が危険にさらされる事態になりかねません。
本記事では、こうしたリスクから情報資産を守る「多要素認証」について、仕組みや二段階認証との違い、導入のメリットやデメリット、選定ポイントをわかりやすく解説します。
多要素認証(MFA)とは?3つの要素をわかりやすく解説
多要素認証(MFA)とは、セキュリティを強化するため、認証時に異なる種類の要素を2つ以上組み合わせる仕組みです。複数の要素を組み合わせることで、いずれか1つが突破されても、他の要素が障壁となり、不正アクセスの防止に役立ちます。
下記3つの要素を理解して適切に組み合わせることが、安全なアクセス管理の第一歩です。
- 知識情報:パスワードなど本人だけが知る情報
- 所持情報:スマートフォンなど本人が所有する情報
- 生体情報:指紋や顔など本人固有の情報
(1)知識情報:パスワードなど本人だけが知る情報
知識情報とは、パスワードやPINコードのように「本人だけが知っているはずの情報」を使った認証要素です。導入が容易で最も広く使われていますが、知識情報だけでは漏えいや推測されるリスクが高くなります。
たとえば、設定したパスワードは、フィッシング詐欺によって偽サイトに入力してしまえば簡単に盗まれます。また、推測しやすいパスワードは総当たり攻撃の標的になり、ほかのサービスで漏えいしたパスワードが使い回されるリスクもあるでしょう。
知識情報はこのような危険性があるため、「所持情報」や「生体情報」と組み合わせて使用し、セキュリティ強度を高める必要があります。
(2)所持情報:スマートフォンなど本人が所有する情報
スマートフォンや物理的なセキュリティキーなど、「本人が所有している物」を使った認証要素が、所持情報です。攻撃者が物理的に所有していなければ認証を突破できないため、遠隔からの不正アクセス防止に役立ちます。
以下が、所持情報の代表例です。
- 認証アプリで生成される、一定時間のみ有効なワンタイムパスワード
- USB接続する物理セキュリティキー
所持情報と知識情報を組み合わせると、「知っていること」と「持っていること」の二要素認証を実現できます。
(3)生体情報:指紋や顔など本人固有の情報
生体情報とは、指紋認証や顔認証のように「本人固有の身体的特徴」を使った認証要素を指します。パスワードのように忘れたり、スマートフォンのように紛失するリスクがなく、利便性の高さが特徴です。
たとえば、下記のような認証方法があります。
- PCのログイン時に指紋センサーを使う
- スマートフォンのロック解除に顔認証を使う
ただし、専用の読み取り装置が必要になるため、導入コストがかかる場合があります。また、精度が低いと、誤認識の可能性があるため注意が必要です。さらに、生体情報は一度漏えいすると変更できないデメリットもあります。
多要素認証と二要素認証、二段階認証との違い
多要素認証と二要素認証、二段階認証との違いは、以下のとおりです。
項目 | 多要素認証 | 二要素認証 | 二段階認証 |
|---|---|---|---|
定義 | 異なる種類の要素を「2つ以上」組み合わせる認証 | ・多要素認証の一種 ・異なる種類の要素を「2つ」組み合わせる認証 | 「認証の手順が2回」ある認証 |
同じ要素の組み合わせ | 不可 | 不可 | 可 |
具体例 | パスワード(知識情報) | パスワード(知識情報) | パスワード(知識情報) |
たとえば、「パスワード(知識情報)入力後に、秘密の質問(知識情報)に答える」方式は、二段階認証ですが多要素認証ではありません。
一方、「パスワード(知識情報)入力後に、認証アプリのコード(所持情報)を入力する」場合、異なる種類の要素を2つ組み合わせているため「二要素認証」となります。
多要素認証が必要な2つの理由
Microsoftの調査結果(2024年度)によると、ID攻撃の99%がパスワードベース(※)と報告されています。従来のIDとパスワードのみに依存した認証方法では、もはや十分なセキュリティを維持しにくくなっています。
セキュリティ維持が困難になった背景には、主に次の理由があります。
- 働き方の変化により脅威にさらされる可能性が高まった
- サイバー攻撃の増加により情報漏えいのリスクが増大した
(※)出典:「Microsoftデジタル防衛レポート2024に示された重要なインサイト10項目」- Microsoft Corporation
(1)働き方の変化により脅威にさらされる可能性が高まった
クラウドサービスの普及やリモートワークの常態化により、従業員が社外から企業の重要情報にアクセスする機会が急増しました。
総務省の「令和7年 情報通信白書」によれば、2024年には80.6%の企業がクラウドサービスを利用しています。とくに「ファイル保管・データ共有」や「社内情報共有・ポータル」のサービスの利用率が高くなっています。
出典:「第Ⅰ部 特集 広がりゆく「社会基盤」としてのデジタル」(総務省)(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/html/nd111210.html)(2025年12月08日に利用)
従業員が自宅や外出先からクラウド上の社内システムにアクセスする場合、社内ネットワークによる防御は機能しません。IDとパスワードさえあれば誰でもアクセス可能なため、認証情報が漏えいした際のリスクが高くなります。
場所を問わず「本人であること」を確実に証明するために、多要素認証は不可欠です。
(2)サイバー攻撃の増加により情報漏えいのリスクが増大した
IDとパスワードを狙うサイバー攻撃が巧妙化し、情報漏えいのリスクが増大していることも理由に挙げられます。
警察庁の令和7年上半期サイバー犯罪情勢によると、サイバー犯罪の検挙件数は2025年に6,625件に達しています。
近年、本物のサイトと見分けがつきにくいフィッシングサイトや、AI活用による自然な文面のメールが増加しており、従業員が意図せず認証情報を入力してしまうおそれもあります。
万が一パスワードが突破された場合でも、不正アクセスを最終段階で阻止するために、多要素認証の導入が必要です。
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多要素認証を導入する4つのメリット
不正アクセス対策を強化して従業員の利便性も高めたいなら、多要素認証の導入が有効です。ここでは、多要素認証を導入する4つのメリットを解説します。
- セキュリティリスクを軽減して情報資産を守ることができる
- ゼロトラスト・セキュリティを実現しやすくなる
- シングルサインオンとの併用で利便性が向上する
- コンプライアンス遵守により企業の信頼性が高まる
(1)セキュリティリスクを軽減して情報資産を守れる
多要素認証を導入するメリットは、不正アクセスのリスクを減らし、企業の情報資産を守れる点です。
情報漏えい事故が発生する原因の多くは、盗まれたパスワードや、推測されやすい脆弱なパスワードです。従業員がパスワードを使い回していたり、フィッシング詐欺で認証情報を入力した場合、簡単に不正アクセスを許してしまいます。
多要素認証を導入していれば、仮にパスワードが突破されても第二の要素が障壁となります。多要素認証の導入は、パスワードが漏れる前提で設計された現実的なセキュリティ対策です。
(2)ゼロトラスト・セキュリティを実現しやすくなる
ゼロトラストとは、「社内だから安全」という従来の前提をなくし、「すべてのアクセスを信頼せず疑う」ことを基本とするセキュリティの考え方です。リモートワークやクラウド利用が普及し、社内と社外の境界があいまいになったため、ゼロトラストの考え方が重視されています。
これまでのように、VPNのパスワードだけで社内システムにアクセスできる環境では、盗まれたときのリスクが大きすぎます。ゼロトラストではこうした前提を捨て、すべてのアクセスにおいて本人確認を徹底します。多要素認証は、この都度確認を実現するための有効な手段の一つです。
企業のセキュリティ体制を時代に合わせて見直すうえでも、多要素認証の導入は欠かせません。
(3)シングルサインオンとの併用で利便性が向上する
多要素認証は、シングルサインオン(一度の認証で連携サービスにログインできる仕組み)と組み合わせると、安全性を保ったまま従業員の利便性を高められます。
多要素認証だけだとログインのたびに認証の手間が増え、従業員にとって負担になります。また、パスワードリセットの問い合わせなどが情シスに集中し、通常業務の妨げとなりかねません。
シングルサインオンを併用すれば、従業員は出勤時に一度だけ多要素認証を行います。その後は、連携する勤怠管理システムやチャットツールなどの複数のサービスに、毎回パスワードを入力せずアクセス可能です。
なお、SmartHRは、これらの課題解決をサポートするシングルサインオン機能(IdP機能)を提供しています。SmartHRに二要素認証でログインするだけで、連携するクラウドサービスへワンクリックでアクセスできるようになります。
従業員はログインの煩わしさから解放され、情シス担当者のパスワード管理の負担も軽減されます。
お役立ち資料
1分でわかる!SmartHRのシングルサインオン(IdP機能)
この資料でこんなことが分かります
- SmartHRのIdP機能とは
- SmartHRのIdP機能の特徴
- 便利な機能と導入による効果
(4)コンプライアンス遵守により企業の信頼性が高まる
多要素認証の導入は、法令や業界基準の遵守(コンプライアンス)につながります。たとえば、人事労務データには、ID・パスワード管理などの「技術的な安全対策」が法律で求められています。多要素認証は、その具体的な手段の一つです。
また、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証や業界ごとのガイドラインにおいても、多要素認証は導入が必須とされることがあります。対応が不十分な場合は、監査で不備を指摘され、是正勧告や認証取り消しといったリスクに発展しかねません。
一方で、多要素認証を適切に導入・運用している事実は、取引先や顧客に対し「自社は重要情報を適切に管理している」という信頼の証にもなります。
多要素認証を導入する3つのデメリット
多要素認証はセキュリティを強化する一方、導入と運用にいくつかの課題があります。スムーズな導入と安定した運用のためにも、下記のデメリットを把握しておきましょう。
- ログインの手間が増え従業員の負担になる
- 認証デバイスの紛失・故障時の対応が必要になる
- 導入・運用コストや管理者のサポート負荷が発生する
(1)ログインの手間が増え従業員の負担になる
多要素認証を導入すると、IDとパスワード入力に加えて認証コードの入力や指紋認証などのステップが増えるため、従業員の負担となります。
とくに営業担当者やサポート担当者など、1日に何度もシステムへログインする従業員にとって、業務効率の低下につながります。また、指紋認証や顔認証は、光の加減や体調によって認証エラーが起こる場合もあり、やり直しがストレスとなるでしょう。
負担を軽減するために、シングルサインオンを併用して認証回数を減らすなど、運用面の工夫が必要です。
(2)認証デバイスの紛失・故障時の対応が必要になる
多要素認証でスマートフォンや物理キーといった所持情報を利用している場合、デバイスの紛失・故障時に認証ステップを完了できません。
たとえば、従業員がスマートフォンを紛失した場合、以下が完了するまでその従業員は業務が止まってしまいます。
- 管理者に連絡して本人確認をする
- 多要素認証の設定をリセットしてもらう
- 新しいデバイスで再登録する
このような事態に備え、情シス担当者はあらかじめ復旧プロセスを整備しておきましょう。事前にバックアップ用の認証方法を設定しておくなど、万が一の際に業務が停止する時間を短くする対策も必須です。
(3)導入・運用コストや管理者のサポート負荷が発生する
多要素認証の導入には、ライセンス費用や物理キーの購入費用といった初期費用がかかります。
また、多要素認証の導入後も継続的な運用負荷が発生します。たとえば、次のような作業が日常業務に加わるでしょう。
- 「アカウントがロックされた」などの問い合わせ対応
- 紛失時の再設定作業
このようなコストや作業工数を事前に見積もり、マニュアル整備や社内周知を計画する必要があります。さらに、教育・サポート・退職対応など、見えにくい工数も継続的に発生する点にも注意が必要です。
認証基盤との連携やポリシー変更による影響範囲も考慮しながら、導入前に運用体制を十分に整える必要があります。
多要素認証の導入で確認すべき5つのポイント
自社に合わない製品を選ぶと、多要素認証を導入しても失敗するおそれがあります。多要素認証の導入で確認すべき5つのポイントを見ていきましょう。
- 既存システムと連携できるか
- ライセンス体系や料金プランが自社に合うか
- 管理機能が充実しているか
- 運用負荷を軽減しやすいか
- ベンダーに十分なサポート体制や導入実績があるか
(1)既存システムと連携できるか
多要素認証の製品を選定する際は、社内で利用しているシステムと連携できるかを確認しましょう。連携機能がない場合、システム同士を接続するために追加の開発費用や複雑な設定作業が発生する可能性があります。
たとえば、以下のようなシステムが対象です。
- 主要なクラウドサービスへの連携
- リモートワークで利用するVPN装置(社外から社内ネットワークへ接続するための機器)
- 社内に設置されているオンプレミス型の業務サーバー(クラウドではなく、自社内で管理しているシステム)
あらかじめ利用中の主要なサービスやVPN機器をリストアップし、ベンダーに連携実績があるかを確認しておきましょう。
(2)ライセンス体系や料金プランが自社に合うか
多要素認証の導入では、ライセンス体系や料金プランが自社の利用実態に合っているかも検討すべきポイントです。初期費用だけでなく、3年後・5年後まで含めた総コストを試算しましょう。
料金体系は製品によって異なり、「ユーザー数課金」や「認証回数課金」があります。また、下記に挙げるコストが発生しないかもあわせて確認が必要です。
- ベンダーによる初期設定費用
- 年間のサポート費用
- 契約ユーザー数を超えた場合の超過料金
従業員数の増減も考慮し、どのプランが自社にとって無駄のない支出になるか、長期的な視点で費用対効果を判断しましょう。
(3)管理機能が充実しているか
企業のセキュリティポリシーや内部統制の要件を満たすには、適切に運用・管理できる機能が欠かせません。
以下が管理機能の一例です。
- 「誰が・いつ・どのシステムの人事情報にアクセスしたか」を記録する監査ログ機能
- 部署・役職・働く場所に応じて、認証ポリシーを柔軟に設定できる機能
「社内ネットワークからのアクセス時は多要素認証を省略し、社外からのアクセス時のみ多要素認証を必須にする」といった設定ができれば、利便性とセキュリティのバランスを保てます。
(4)運用負荷を軽減しやすいか
多要素認証の運用がはじまると、「デバイスを紛失した」といった従業員からの問い合わせ対応が、情シス部門に集中するおそれがあります。
従業員が自分で多要素認証を再設定できる「セルフサービス機能」があれば、管理者が都度リセットする手間を減らせます。また、人事システムと連携して入退社情報を自動で同期する機能があると、アカウント発行・停止の作業も運用負担を削減できます。
こうした機能が不足していると管理者の業務が圧迫されるため、選定時に必ず確認しましょう。
(5)ベンダーに十分なサポート体制や導入実績があるか
導入時や運用開始後にトラブルが発生した際、迅速なサポートが受けられないと、従業員がログインできず業務が停止する可能性があります。
情シス担当者がすぐに相談できる体制が整っているか、以下の点を確認しましょう。
- 導入時の設定作業のサポート
- 運用開始後にトラブルが発生した際の日本語での対応窓口
また、自社と同様の業種や企業規模での導入実績が豊富にあれば、運用上のノウハウも期待できます。
多要素認証の安全性を高める4つの運用ポイント
多要素認証を導入するだけで、安全が保証されるわけではありません。セキュリティを確実に機能させるためにも、以下のポイントを押さえておきましょう。
- パスワードのルールを適切に設定する
- 認証情報の適切な管理を周知する
- セキュリティ教育で端末の紛失防止を徹底する
- 他のセキュリティ対策も並行して実施する
(1)パスワードのルールを適切に設定する
多要素認証を導入しても、第一の関門であるパスワード自体が弱ければセキュリティは不十分です。たとえば、「company123」や「password」といった推測しやすいパスワードがその一例です。
総務省や警視庁のウェブサイトでは、下記のようなパスワードが推奨されています。
- 長さ:12文字以上にする
- 複雑さ:英大文字・小文字・数字・記号を組み合わせる
- 推測困難:無関係な複数の単語をつなげる
多要素認証の導入後も、パスワードは使い回さず、推測されにくい文字列を設定するなど、基本ルールの徹底も重要です。
参考:
総務省「安全なパスワードの設定・管理」(https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/cybersecurity/kokumin/security/business/staff/06/)
警視庁「IDとパスワードの適切な管理」(https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/cyber/security/cyber412.html)(2025年10月29日利用)
(2)認証情報の適切な管理を周知する
多要素認証を安全に運用するには、「回復コード(バックアップコード)」の管理を徹底する必要があります。回復コードは、スマートフォンを紛失したときなどに使う緊急用の認証手段です。本人確認をスキップできてしまうため、適切な保管が非常に重要です。
もしこのコードが他人に見られる場所に保管されていると、多要素認証を導入していても不正アクセスを許すリスクがあります。
社内では、以下のような方法で管理を推奨し、従業員に周知しましょう。
- 印刷して、鍵付きの引き出しなどに物理的に保管する
- パスワードマネージャーの暗号化ノート機能に保存する
また、社内マニュアルやセキュリティポリシーにも、回復コードの管理方法を明記しておくと安心です。
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(3)セキュリティ教育で端末の紛失防止を徹底する
端末の紛失や盗難は、多要素認証を導入していても不正アクセスの原因となるため、セキュリティ教育で防止策を徹底しなければなりません。
そのため、セキュリティ教育を通じて、以下の点を従業員に徹底させましょう。
- 「端末から目を離さない」「必ず画面ロックを設定する」といったルールを周知する
- 端末の紛失時は、すぐに情シスへ報告するよう義務付ける
また、MDM(Mobile Device Management / モバイルデバイス管理)ツールを導入すると、遠隔での端末データの初期化や、画面ロックが可能になります。MDMとは、企業で使用されるPCやスマートフォンといった端末を一元的に監視・管理するためのサービスです。
(4)他のセキュリティ対策も並行して行なう
多要素認証を導入しても、それだけですべてのセキュリティ課題が解決するわけではありません。多要素認証はあくまで認証を強化する対策であり、ウイルス感染や、OS・ソフトウェアの脆弱性を狙った攻撃を防ぐものではないからです。
近年は多要素認証を突破するフィッシング攻撃も存在するため、次のような基本的なセキュリティ対策も継続しましょう。
- ウイルス対策ソフトを導入する
- 使用するPCのOSやソフトウェアを常に最新の状態に保つ
- 不審なメールを開かないよう従業員周知を徹底する
複数の対策を組み合わせる「多層防御」の考え方によって、会社全体のセキュリティを維持しやすくなります。
人事労務ソフトのセキュリティを高めるなら『SmartHR』
従業員の個人情報や給与データなど、人事・労務に関する情報は、企業のなかでも特に機密性が高く、漏えいが大きなリスクにつながります。こうした情報を扱うシステムには、万全のセキュリティ対策が欠かせません。
SmartHRでは、本記事でご紹介した「二要素認証」に対応しており、従業員アカウントへの適用に加えて、管理者による設定必須化も可能です。必須化にすると二要素認証を設定していなければSmartHRにアクセスできない仕組みとなり、従業員のセキュリティ設定の抜け漏れを防ぐことができます。
このほかにも、ISMS(ISO/IEC 27001)やプライバシーマークの取得、第三者による年次監査、定期的な脆弱性診断など、業界標準を満たす多層的な対策により、安心してご利用いただける環境を整えています。
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導入前には、システムとの連携性や管理機能の確認が欠かせません。運用面では、回復コードの管理や端末紛失への備えなど、日常的な対策もあわせて検討するとよいでしょう。
本記事の内容が、自社のセキュリティ体制を見直す際の参考になれば幸いです。
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成田 大輝
事業会社の情シスとして入社し、社内システム開発のPJや約40事業所のヘルプデスク、ITインフラ整備、情報セキュリティ対策を担当。現在は、株式会社ウェヌシスを立ち上げ、代表取締役として情シス向けの研修事業やコンサルティング事業、BPO事業を展開している。
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