公開日:2025/12/03
タレントマネジメントとは? 基本概要と推進ステップ、従業員データの活用法を解説
目次
事業成長のため、組織と個人の生産性向上は欠かせません。そのため評価・採用・人員配置・人材育成などのタレントマネジメント施策に力を入れる企業が増えています。
しかし、「何から取り組めばいいかわからない」「取り組んだはいいが中途半端な状態で終わってしまう」といった課題を持つ方も多いのではないでしょうか。
タレントマネジメント施策を成功させるには、「従業員データ」の蓄積・活用が重要です。
そこでこの記事では、タレントマネジメントの基本概要と、タレントマネジメントにおいて「従業員データ」がどのような役割を果たすのかを解説します。
お役立ち資料
SmartHRで今すぐはじめるタレントマネジメント
この資料でこんなことが分かります
- タレントマネジメントにおいて人事データが果たす役割
- SmartHRでタレントマネジメント推進をスムーズに始められる理由
- タレントマネジメント機能の特徴・活用イメージ
- 労務機能とタレントマネジメント機能の活用事例
タレントマネジメントとは?
タレントマネジメントとは、「人材の能力を最大限に引き出すために、人材を惹きつけ、採用し、維持し、育成するための人事戦略」です。
その目的は、従業員と組織のパフォーマンスを最大化させて、企業の成長や経営戦略を実現することにあります。
昨今では、少子高齢化による労働人口の減少、働き方改革推進、人材の多様化など、社会環境が大きく変化しています。タレントマネジメントに取り組むことで、いかに従業員一人ひとりを活かし、組織全体のパフォーマンスを向上できるかが重要となります。
またタレントマネジメントシステムが普及したことで、幅広い企業がこういった人事戦略に取り組めるようになりました。
組織のパフォーマンスを向上させる具体的な取り組み
人材の能力を引き出し、組織のパフォーマンスを向上させるにはさまざまな取り組みが考えられます。
自社にふさわしい人材を採用し、採用した人を適切に配置し、人材開発を通して成長してもらう。公平に人事評価をし、従業員の定着率を上げ、結果として高いパフォーマンスを発揮させる状況をつくることが、タレントマネジメントでは重要です。
さらに具体的にすると、以下のような取り組みがあげられます。
- パーパス(存在意義)や、ミッション・ビジョン・バリューを制定し浸透を促す
- 公平な評価とフィードバックにより成長を促す
- 従業員が一番能力を発揮できる部署に配置する
- 新しい戦略を構築できる人材を獲得するため、次期リーダーを育てる
- 長期的なキャリア開発の支援により働きがいを向上する
タレントマネジメント推進に必要な「従業員データ」
タレントマネジメントにおいて「従業員データ」が果たす役割
実際にタレントマネジメントを推進しようとすると、従業員データの存在が非常に重要になります。
※人事業務と人事データの関係性
出典:坪谷 邦生(2020)『図解 人材マネジメント入門 人事の基礎をゼロからおさえておきたい人のための「理論と実践」100のツボ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
上図の「人事業務と人事データの関係性」の例では、異動を検討する際、業務経験やキャリアの希望、過去の評価結果や性格特性などのデータが必要になることがわかります。
タレントマネジメントに必要となるこれらの従業員データは、採用時や評価業務などさまざまな施策から得られることも多く、各種業務で集めた従業員データの管理をきちんと整備し、活用できる状態にする必要があります。
「従業員データ」の整備は、タレントマネジメント推進の第一歩
しかし、従業員データ活用の意義を理解していても、「うまく活用できていない」という声をよく伺います。
ヤフー株式会社の伊藤羊一さんが表現された「人事データの三大疾病」という例があります。人事データが活用されないのは、データが“ばらばら”で、“ぐちゃぐちゃ”で、“まちまち”だからとのことです。
-
ヤフーが1年がかりで奮闘した「人事データの“三大疾病”」
ヤフーは、人事データ活用のために1年かけてデータベースを整理しました。勤怠や評価など部署ごとに分かれているデータや、入力ミスによるデータの不一致といった「人事データの三大疾病」に直面し、分析を一時停止してデータ整理に専念。その結果、一つのデータベースにデータを集約し、誰でも分析できる環境を構築しました。今後は、データをマネジャーと共有し、マネジメントに活用していくことを目指しています。
この記事は、人事データ整理におけるヤフーの具体的な取り組みについてお伝えします。
ヤフー株式会社 Yahoo!アカデミア学長 / 株式会社ウェイウェイ 代表取締役 伊藤 羊一
- あるデータは表計算ソフト、あるデータは紙で保存されており、データが“ばらばら”になっている
- データはあるが、手入力によるミスや表記ルールの統一がされておらず“ぐちゃぐちゃ”になっている
- データの取得方法やタイミングが“まちまち”で、データの連続性がなく活用できない
タレントマネジメントの第一歩は「従業員データの整備」からです。もし思い当たる場合は、社内の従業員データを見直すところから始めてみてはいかがでしょうか。
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SmartHRで今すぐはじめるタレントマネジメント
この資料でこんなことが分かります
- タレントマネジメントにおいて人事データが果たす役割
- SmartHRでタレントマネジメント推進をスムーズに始められる理由
- タレントマネジメント機能の特徴・活用イメージ
- 労務機能とタレントマネジメント機能の活用事例
自社の課題を特定し、データをもとに効果測定を実施
いざタレントマネジメントに取り組もうとしても、様々な施策を一度に実行するのは難しいでしょう。
また、企業によって配置や異動を必要としないケースや、定着率に課題を抱えていないケースなどもありますので、自社の課題特定が重要です。
- 「今いる従業員のパフォーマンスを最大化するためにはどうするべきか?」
- 「人事評価を効果的に運用し、公平な評価を実現したい」など
タレントマネジメントに取り組む際は、これらの課題を特定してから推進していくようにしましょう。
組織課題を特定するステップと、具体的なアプローチ
組織の課題を特定するために取り組むべき3つのステップをご紹介します。
- STEP1:従業員サーベイなどを実施し、従業員の考えを聴取する
- STEP2:会社が大切にしたいことと、従業員の考えを照らし合わせ、課題を特定する
- STEP3:課題に対する制度や施策を設計し、実行する
会社が大切にしたいことに対して、従業員の考えを明らかにすると、従業員との期待値をすりあわせながら検討を進められます。各社さまざまな課題がありますが、タレントマネジメントの中でとくに課題として多く挙げられるのは「人事評価」です。
人事評価制度に課題がある場合は、以下のようなアプローチがあります。
- 公平な人事評価を実現するために、等級・評価・報酬制度を整備する
- 人事評価システム導入を検討する
- 従業員のキャリア希望やメンタルヘルスを把握して異動を検討する
- 1on1などを通して従業員の成長につながるフィードバックをする
また、サーベイを定期的に実施することで、実行した施策の効果測定も可能です。健康診断のようなイメージですね。
このように、さまざまな施策がありますので、自社が大事にしたいことをベースとし、課題解決にむけ、従業員の働きがいを向上する施策を考えることが求められます。
SmartHRは自社の課題に合わせてタレントマネジメントをサポート
特定した自社の課題の解決をサポートする手段として、SmartHRがどのように貢献するかを、3つの機能と併せてご紹介します。
1. 評価業務を効率化し、集めたデータで組織改善をスムーズにする「人事評価」
一人ひとりの能力やスキルを最大限伸ばし活躍してもらうために、多くの企業が人事評価を実施しています。しかし、運用工数や納得感に課題を感じているケースが少なくありません。
SmartHRの「人事評価」であれば自社運用にあわせて柔軟に評価シートを作成できます。
また、わかりやすい操作画面で効率的に評価を実施し、結果を収集・蓄積できます。評価の後には、評価結果から新しい給与額をシミュレーションでき、後続業務まで効率的に運用できます。
評価シートの作成・配付・進捗管理・回収・集計・給与シミュレーションといった一連の評価業務を効率化し、担当者の運用負荷の軽減に貢献します。人事担当者・評価者・被評価者それぞれの課題を解決し、通常業務を圧迫することなく、評価業務に取り組めます。
また評価プロセスや結果の見える化で従業員の評価に対する納得感も向上するだけでなく、蓄積した評価結果からそれぞれの従業員に合った育成や配置の検討に活用できます。評価の理想を実現するためにまずは既存業務の効率化からはじめませんか?
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3分でわかる!人事評価
この資料でこんなことが分かります
- 人事担当者が評価業務で感じている問題点
- 人事評価業務を改善するための課題
- SmartHRの「人事評価」の特徴・できること
- SmartHRの「人事評価」の実際の画面
2. 設問作成から結果分析まで、従業員や組織の状態を手軽に可視化する「従業員サーベイ」
従業員向けのサーベイは、組織の状態を定量的に把握し、従業員個人のキャリア観やマネジメント課題を収集できるため、タレントマネジメント推進の重要な取り組みとなっています。
こうした重要なデータ収集と分析を効率的に行うため、SmartHRの「従業員サーベイ」では、エンゲージメントサーベイをはじめとする、組織と従業員の状態を把握するためのさまざまな質問雛形(プリセットサーベイ)をご用意しています。
サーベイで組織や従業員に関するさまざまな情報を把握・分析することで、人員配置の検討や人事評価制度の見直しなど、タレントマネジメント施策の効果的な実施・改善が可能です。
従業員データベースがあるSmartHRなら、最新の人事情報を使った配信対象の設定や分析軸の利用ができます。簡単にサーベイの配信から分析までできるため、すぐにタレントマネジメントに活用できます。
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3分でわかる! 従業員サーベイ
この資料でこんなことが分かります
- なぜ「従業員サーベイ」なのか?
- SmartHRの「従業員サーベイ」の特徴
- 「従業員サーベイ」のご活用イメージ
- 「従業員サーベイ」実際の画面
3. データを活かした戦略的な人員配置を、ワンストップで手軽に実現する「配置シミュレーション」
タレントマネジメントのためには、従業員一人ひとりが持つ能力やスキル、経験を生かした、適正な人員配置の検討が必要です。
SmartHRの「配置シミュレーション」では、労務業務や評価、サーベイを通してSmartHRに蓄積された従業員情報を確認しながら、ドラッグ&ドロップで直感的に配置を検討できます。
複数の配置案をボタンひとつで統合し、差分はひと目でわかるので、不整合を簡単に発見できます。その後の組織図への反映や辞令・発令など、配置業務を一気通貫で効率化します。
事業戦略を達成するための人員配置だけでなく、突発的な離職などに対しても、事実に基づく効果的・効率的な人員配置を実現します。
お役立ち資料
3分でわかる!SmartHRの配置シミュレーション
この資料でこんなことが分かります
- 人員配置の課題
- SmartHRの「配置シミュレーション」が人員配置の課題を解決
- 「配置シミュレーション」のご利用イメージ
「従業員データの整備」がタレントマネジメントの第一歩
まずは「従業員データ」の整備がタレントマネジメントの第一歩です。データを活用できる状態で蓄積できているか、見直してみてはいかがでしょうか。
そのうえで、組織や従業員の状態を見える化し、自社が取り組むべき課題を特定、施策の検討・実行を進めていきましょう。
入社手続きや給与明細の配付など、人事労務業務のなかで従業員データを収集・蓄積できるSmartHRだからこそ、タレントマネジメントの推進にもぜひ活用いただきたいと思っています。
この記事をきっかけに、まずは自社の「従業員データ」の整備に向き合ってみていただきたいと思っています。ぜひ併せてご検討ください。
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SmartHRで今すぐはじめるタレントマネジメント
この資料でこんなことが分かります
- タレントマネジメントにおいて人事データが果たす役割
- SmartHRでタレントマネジメント推進をスムーズに始められる理由
- タレントマネジメント機能の特徴・活用イメージ
- 労務機能とタレントマネジメント機能の活用事例
SmartHR コラム編集部
SmartHRコラムはお客さまの課題解決をサポートするメディアです。機能解説やイベントレポートなどの情報をお届けします。
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従業員とのコミュニケーションを円滑にする機能
入社手続きのペーパーレス化で変わること
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