【従業員サーベイ機能】サーベイは組織と従業員の「健康診断」(株式会社ファイターズ スポーツ&エンターテイメント)
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こんにちは。SmartHR マーケティンググループの宅美です。SmartHRの「従業員サーベイ」機能をご活用いただいている企業へ、導入に至ったいきさつや今後の活用計画を伺う活用事例インタビュー。
今回は、プロ野球興行業務・ボールパークのマネジメント業務を手がけられている、株式会社ファイターズ スポーツ&エンターテイメントさまにお話を伺いました。
川尻 裕一 さん
株式会社ファイターズ スポーツ&エンターテイメント 総務人事部
活用ポイント
- 時期によって異なる従業員の業務負荷を把握するために導入
- 組織と従業員の健康状態を把握するべく、2種類のサーベイを実施
- サーベイの結果が評価・人事制度を見直すきっかけに
- 従業員の声をもとに、環境や制度を能動的に変えられる組織へ
時期によって変化する従業員の業務負荷を把握するために導入
従業員サーベイ機能の導入背景を教えてください。
川㞍さん:弊社はプロ野球の興行を行う会社なので、シーズン中とシーズンオフで従業員の業務負荷が大きく変わるセクションがあるんです。実際にどの程度の変化があるのか、そしてどの程度の負荷がかかっているのかを把握するために、以前から不定期でサーベイを実施してきました。
もともとサーベイを実施されていたんですね。
川㞍さん:はい。ただ、以前は完全に手作業で設問の準備から集計をしていたため、実施頻度が不定期になっていました。定期的にサーベイを実施してモニタリングしないと経年変化に気づけないため、深く課題を抽出できないことにもどかしさを感じていました。
とくに導入の優先度が高まったきっかけはなんでしたか?
川㞍さん:2023年に予定している新球場の開業です。これまでの球場をお借りしておこなう興行ビジネスから、今後は新球場の周辺地域を対象とした「街づくり」へと業態が大きく変化します。
それに伴い社内で新たな部署を設立するとともに、従業員数も増え、従業員一人ひとりの勤務状況を把握するのが難しくなりました。まさに会社の変革期という状況もあり、導入の検討が進んだ背景がありました。
導入の決め手はなんでしたか?
川㞍さん:従業員と担当者、両者の負荷の少なさが決め手ですね。まったく別のサービスの導入となると、操作や手順に慣れるまでの学習コストが一定程度発生してしまいます。また、氏名や部署名など従業員情報を新たに入力する必要もあり、手間が発生してしまいまからね。
すでに従業員にも浸透しているSmartHRの従業員サーベイであれば、導入ハードルが低く、その後の運用面でも人事データベースとの相乗効果が得られやすいと考えました。
「働き方サーベイ」「職務実態申告書」により組織と従業員の健康を把握
実際、SmartHRでどのようなサーベイを実施されていますか?
川㞍さん:定期的に実施しているのが、「働き方サーベイ」と呼んでいるエンゲージメントサーベイです。組織の健康状態を把握することを目的に、年に2回実施しています。
こちらは、SmartHRの従業員サーベイにプリセットとして用意されている45問のフォーマットを利用しています。最初から質問項目が用意されているので、取りかかりやすかったですね。
それ以外にも、不定期で従業員サーベイ機能を利用されることはありますか?
川㞍さん:はい。報酬や制度に関する内容や、コンプライアンスに関する内容などで利用しました。不定期でフットワーク軽くアンケートを実施したいときも使えるので便利ですね。
従業員サーベイ機能の導入前と比べて、どのような変化を感じますか?
川㞍さん:一番は、属人化を防げる点が大きな変化だと思います。設問の準備やサーベイの実施、その後の回収・集計に至るまで、どうしても作業が属人的になりがちです。今は経営企画の担当者とも作業を分担しているためさらに負荷も少なく、何かあればお互いにケアできる体制になっています
継続的な利用を見据えた体制づくりが重要なのですね。
川㞍さん:そう思います。組織や従業員の状態を正しく把握し改善するためには、サーベイによる定期的なモニタリングが不可欠です。そして継続的な運用のためには、従業員・担当者ともに負荷が少なく操作しやすいツールであることが必須ですね。
私は経営陣に対して、従業員サーベイは組織と従業員の「健康診断」ですと伝えているんです。課題が「あるなら、ある」「ないなら、ない」でいいんです。改善に向けて、調査結果が表に出ることが何より大事だと考えています。
「仕事への満足感」と「評価への課題」に示唆あり
サーベイの実施によって、どのような気づきがありましたか?
川㞍さん:大きく分けて2つありました。従業員の「仕事への満足感」と「評価への課題」です。
「仕事への満足感」でいうと、私たちはプロスポーツビジネスという特殊な業態のため、この事業に携わっている時点で、従業員満足度は高めに出る傾向があると認識していました。さらに現在は、新球場建設の真っただ中という状況も相まって、予想通り高めの結果が出ました。
他社との単純比較はできないため当社比にはなりますが、新球場の開場後従業員にどのような変化が出るのか、今から仮説を立てて対策を検討しています。まずは、従業員からのリアルな声として現状把握できたことは良かったと思っています。
「評価への課題」の観点での気づきは、いかがでしょうか?
川㞍さん:前提として集客が軸になるビジネスですので、コロナ禍による影響は少なくありません。一方で、事業の状況をコロナ禍以前と単純比較して良し悪しを判断しても意味がないため、どのように評価していけばいいのかは悩ましいところです。
また、新球場建設に関わる部署など、アウトプットを生む過程の段階にある従業員の評価の定量化が難しく、評価者と被評価者の納得感をそろえるのに苦労していた部分がありました。
ただ、サーベイの結果を踏まえて課題の可視化ができたことは大きな収穫でしたし、実際すでに評価や付随する人事制度の変更に向けて動き出すきかっけになりました。
今後も人事施策の裏付けとなる根拠として、サーベイの結果を活用していこうと考えています。
従業員の声をもとに能動的に変化できる組織へ
最後に、今後の展望を教えてください。
川㞍さん:まずは従業員サーベイを通じて、組織と従業員に対する定期的なモニタリングを継続したいですね。
組織の健康状態を把握するのはもちろんですが、従業員個人の健康状態の把握も重要です。口頭ではなかなか言いにくいこともサーベイであれば伝えられる、そしてそこから見える結果もあると感じています。
また、弊社としても業態の変化という大きな節目を迎えるなかで、新球場周辺開発に伴う協業する外部のパートナーや自社の従業員も増えていきます。そのような大きな変化に対応するべく、社内の環境・制度を常に変化させていることを良しとして、能動的に変化していける会社にしていきたいですね。
素敵なビジョンですね。
川㞍さん:せっかくこういう手段を手に入れたので、従業員にも「ここが変わったよ」と形で示していきたいと考えています。そういうコミュニケーションがあるだけで、心のつかえがとれることもあると思うので。
読者の皆さんへメッセージ
川㞍 さん
仕事も会社も結局は「人」です。人の想いを汲み取る仕組みは、業種・規模問わず、どの会社にとっても必要なのではないでしょうか。
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掲載内容は取材当時のものです。
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