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公開日:2025/09/25

「チェックしないと損しちゃう」情報伝達の力で、活発な医療現場へ

目次

長崎県を拠点に100年以上の歴史をもつ医療・介護・保健の総合組織、春回会グループ(社会医療法人春回会・社会福祉法人白鳥蘆花の会)。現在3つの病院と16の関連施設を運営し、地域に根ざしたサービスを提供しています。約1,200人の職員を抱える大きな組織だからこそ立ちはだかるのが、人事からのお知らせが現場になかなか届かないという「伝達の壁」。現場と不足なくコミュニケーションをとるにはどうしたらいいのか。人事部 部長代行の石井智彰さんは、試行錯誤を重ねてきました。

今回は、そんな石井さんにインタビューします。SmartHRを導入したことで組織はどう変わったのか。10周年を迎えたSmartHRに今期待することとは。SmartHRのユーザーコミュニティ「PARK」の運営チームメンバー 川端がお話を伺います。

石井 智彰の写真
インタビュイー

石井 智彰

社会医療法人 春回会 法人事務局 人事部 部長代行

2018年に社会医療法人春回会に入社し、人事労務業務全般に従事。勤怠システムのリプレイスやSmartHRを導入し脱俗人化及び業務改善を実施。また、社員の発揮能力向上、リテンションを目的として行動と成果に応じた人事制度の導入と運用を行なう。

川端 奈帆の写真
インタビュアー

川端 奈帆

株式会社SmartHR SmartHRユーザーコミュニティ「PARK」運営メンバー

2020年にSmartHR入社後、マーケティンググループにてオフライン・オンラインイベントの企画運営を経て、2024年よりSmartHRユーザーコミュニティ「PARK」運営チームに参画。

職員の大半はブルーワーカー。医療現場特有の「アナログの壁」

本日はよろしくお願いします! まずは、春回会さんがSmartHRを導入したきっかけを教えてください。

石井さん:

はい。春回会はもともと、情報伝達に問題を抱えている組織でした。約1,200人の職員がいて、その大半はブルーワーカー(看護師や介護士など、主に身体を動かす職種の総称)。パソコンを持っていない職員も多いので、大事な要件があれば掲示板に紙を貼って連絡するか、管理職が直接該当者に伝えるのが基本でした。

左)株式会社SmartHR 川端 右)社会医療法人春回会 石井さん

とはいえ、24時間体制で患者さんを診るので勤務時間も多くの種類があります。特に夜勤の看護師の場合は、管理職と顔を合わせる機会が少なく、大事な情報が伝わるまでにかなりの時間を要すことも。結果、職員から「大事な情報を自分だけが知らなかった」「自分は会社に大事にされていないのではないか」という不安の声があがっていたんです。情報伝達の不備が、エンゲージメント(職員が企業や仕事に対して持つ「熱意」や「貢献意欲」)の低下にもつながっている状況でした。

川端:

それで改善に動いたのですね。

石井さん:

そうです。加えて人事の仕事量という面でも、アナログな管理体制には限界を感じていました。特にキツかったのが、年末調整の時期。1,200人分の書類を人事課のメンバーで一枚一枚確認しなければならず、毎晩21時〜22時まで残業していました。「さすがにこのままではいけない」と思いSaaS(インターネットを通じてソフトウェアをサービスとして提供するクラウドサービス)を活用することに。さまざまなサービスを比較して、機能がとくに充実していたSmartHRに決めました。

ありがとうございます。パソコンに苦手意識を持った職員さんが多いとのことでしたが、SmartHRの導入時、現場から不安の声は上がりましたか?

石井さん:

一部戸惑った人もいるとは思いますが、各施設の担当者や管理職の協力のおかげで、おおむね問題なく進みました。きっとパソコンが苦手な職員も、年末調整などの煩雑な書類記入を紙ベースで行うことには辟易としていたはず。だから導入時には「SmartHRがあればどれだけ皆さんが楽になるか」を現場に伝えていたんです。難しい説明をするのではなく「楽」をキーワードに話す。それがスムーズに導入できた秘訣だったかもしれません。

SmartHRを「チェックしないと損しちゃう」と思われる存在に

今、もっとも活用されている機能はなんですか?

石井さん:

職員に直接メッセージを配信できる「お知らせ機能」です。2024年のリリース当時から活用しています。使っていてよかったと思うことは、主に2つ。ひとつは「リアルタイムで必要な情報を届けられるようになったこと」です。スマートフォンにアプリを入れている職員にはプッシュ通知が届くので、すぐに見てもらえます。

もうひとつは、「会社と職員との距離が非常に近くなったこと」です。手元にメッセージが届くと、職員は「自分は会社に気にかけてもらっている」「大事にされている」と感じられるもの。私の肌感ですが、エンゲージメントも上がってきたと思います。

川端:

よかったです。職員の皆さんは、それだけSmartHRをこまめにチェックしてくださるんですね。

石井さん:

アクセスの頻度はとても高いと思います。その背景のひとつとして、我々がイントラネット(企業や組織内部だけで利用される、限定的なネットワーク)代わりに活用している人事ポータルサイトの案内を、SmartHRのホーム画面に常時貼っているんです。なにか情報が欲しいときの入口として日常的にSmartHRを訪れるので、「お知らせ機能」も自然にチェックする。そんな動線ができています。

そういえば最近、「お知らせ機能」を使ってエンゲージメントサーベイをとったところ、回答率が87%にのぼりました。今後も、会社と職員が密につながるための軸として、広く活用していきたいです。

石井さんは「お知らせ機能」に興味をもってもらうために、コンテンツにも細かい工夫をこらしていると伺いました。

石井さん:

はい。堅めの連絡でもできるだけポップで親しみやすい文章に落とし込んだり、業務伝達以外に社内イベントの告知を掲載したり。最近だと、「屋上で花火を見る会」を催した際に、「お知らせ機能」を通して告知や写真の共有をしました。真面目な話オンリーではない、バラエティ豊かな情報を届けることで、能動的にチェックしたくなる「お知らせ機能」を作っているんです。

川端:

取り組みのこまやかさに驚かされます。

石井さん:

近頃は、社内報の配信にも力を入れています。春回会の理念を体現している職員にインタビューし、紙媒体とウェブの両方で記事を発信。それを「お知らせ機能」で告知しているんです。読むと「自分もがんばろう」と力が湧いてくるような熱いコンテンツで、社内からの評判も上々。これからも見応えのあるコンテンツを用意し、活気につなげていきたいと思います。そしてSmartHRを「チェックしないと損しちゃう」と思われるくらいの存在にしていきたいですね。

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ユーザーコミュニティ「PARK」で、貴重な横のつながりができた

川端:

石井さんは、ユーザーコミュニティ「PARK」でも活躍されています。セミナーに登壇し、他ユーザーに業務改善などのヒントを授けてくださることも多いです。

なぜこれほど前向きに知見を共有してくださるのか、気になっていたのですが……。

SmartHRのユーザーコミュニティ『PARK』が定期的に開催する交流イベント「PARK hour」の様子

石井さん:

純粋に「PARK」の活動が、私にとってメリットだらけだからです。まず、セミナーに出てアウトプットをする機会があると、自分の考えが整理されるからおもしろい。そして業界を超えてさまざまな人とつながれると、仲間ができるから心強い。人事というのは、社内の他部署とはなかなか業務について深く語り合えないものですが、他業界の人事となら仕事内容が似ているので悩みをありのまま共有できます。なかなか得られない横のつながりが楽しいんです。

川端:

石井さんが自分たちのことを積極的に発信してくださるおかげで、他業界の参加者も前向きに自己開示してくださるようになりました。「PARK」全体の盛り上がりに寄与してくださり、感謝しています。

石井さん:

医療業界には古くから、学会などを通してお互いに情報を発信し合う文化があります。病院の場合、地域が違えば基本的に競合関係にはあたらないので、人命という共通のテーマを見つめてみんなで高め合うんです。私自身がそういう文化で育てられてきた分、今は周囲の皆さんに、なにか発信できればと思っています。

管理にとどまらず、成長を促す人事へ。SmartHRとともに描く未来

これからも長いお付き合いができたらと思います。そのようななかで今日ぜひ聞きたかったのが、石井さんがSmartHRを使い続けてくださっている理由です。率直に、どのあたりを評価していただいているのでしょうか。

石井さん:

システムや機能はもちろん、何より「人」が素晴らしいと思っています。思い出すのは、「従業員情報申請」を使い始めたときのこと。当時、我々の複雑な申請フローをシステムにどう反映したらいいのか、使い方がよくわからなくて。それを担当者に相談したところ、驚くほどこまかくレクチャーをしてくださいました。また、たくさんのデータを間違った方法で登録してしまったときもそう。焦りながらご相談したら、すべての項目を修正するためにサポートしてくださいました。SmartHRの皆さんは、とにかく僕らのことを考えてくれているんです。

それに、多くの新機能が実装されるなかで、SmartHRはすべてを闇雲におすすめしてくることは決してなく、春回会にぴったりな機能だけを伝えてくれますよね。それができるのは、我々の組織をしっかり理解してくださっているからこそ。ユーザー思いで温かい姿勢にいつも感動しています。

川端:

いかにユーザーに寄り添い、伴走していくか。それこそが我々が大切にしている部分なので、喜んでいただけて嬉しいです。

石井さん:

私は、人事という仕事柄もあって、数字では語れない人柄や関係性を大切にしています。その意味でSmartHRは、パートナーとしてずっと一緒にやっていきたいと思える存在です。

非常にありがたいお言葉です。では、そんな石井さんが描いている、人事としての今後のビジョンを教えてください。

石井さん:

人の「管理」にゴールを置くのではなく、「成長」をサポートできる人事になりたいです。ここ数年、退職者の数が増えてきています。背景にあるのは、転職に関する情報が簡単に手に入る時代になったこと。働き先の選択肢が増え、医療業界への転職はもちろん、フィットネス業界のような今まで聞かなかったキャリアを選ぶ人も増えています。そんななかでも選ばれ続ける組織になるためには、「この会社にいたらキャリアアップできる」「健康的に成長していける」と思える環境をつくることが大事だと思うんです。

そのために、SmartHRをどう活用していきたいですか?

石井さん:

引き続き「お知らせ機能」を中心とした発信を続けつつ、今後はより数字をベースにした人事戦略を描いていきたいですね。たとえば今は、エンゲージメントサーベイをとっても、そこからどんなアクションを起こせばいいのか、数値的な分析が追いついていません。数字をさらにうまく扱えるよう、学ぶ必要性を感じています。いつかは、誰を管理職にするか、誰をどの部署に配置するかといった判断も、数字を基に客観的に行えるようになりたいです。SmartHRの「配置シミュレーション」を活用しながら、勤続年数や評価に応じて適材適所で異動できる組織を目指します。

川端:

実現に向けて、我々も数字や分析の面でより伴走させていただきます。最後になりますが、SmartHRは10周年を迎え、「worker-friendly」を新たなビジョンとして掲げました。今以上に現場に寄り添い、働く誰もが使いやすいサービスをつくっていく所存です。

石井さんは、今後のSmartHRにどのような期待をしていますか?

石井さん:

SmartHRはユーザーの「こうなってほしい」に、誠実に向き合ってくれるんですよね。以前、人事評価システムの画面に印刷ボタンがなかったので「つけてほしい」とお願いしたときも、私たちだけの声ではないと思いますが、短期間で実装いただけたことがありました。そのような対応の誠実さとスピード感をこれからも大事にしてほしいです。それから、人事と現場が共通言語を持てるように、物事をデータでわかりやすく捉えられる機能をさらに充実させてほしいです。今後も楽しみにしています。

川端:

ユーザーの皆さまのお声こそが我々の道しるべなので、これからもさまざまなご要望を聞かせていただければ幸いです。石井さん、本日は貴重なお話をありがとうございました!

サービス10周年記念ユーザーストーリー:社会医療法人春回会

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特設サイトでは、ユーザーのみなさまとSmartHRが10年の中でともに変化してきた歩みをたどった対談記事、サービス成長の軌跡、これからの“働く“を考えるヒントを探す有識者インタビュー、SmartHR代表の芹澤雅人による次の10年に向けたメッセージなど、さまざまなコンテンツを掲載しています。

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執筆:安岡晴香
写真:小池大介
編集:野路 学(株式会社ツドイ)

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執筆者

SmartHR コラム編集部

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