公開日:2025/09/03
情シスとは?仕事内容や課題、社内評価アップのコツまで徹底解説

目次
「会社の情シス担当になったが、何から手をつければよいかわからない」
「ヘルプデスク業務に追われて、本来やるべき仕事ができない」
中小企業やベンチャー企業で他業務と兼任でIT担当をされている方、あるいははじめて情シスに配属された方は、このような悩みを抱えていませんか?
本記事では、兼任情シスの方や配属から間もない情シス初心者の方に向けて、情シスの役割と具体的な仕事内容をわかりやすく解説します。明日からすぐに使えるノウハウもまとめましたので、できることから一歩ずつ進めていきましょう。
情シス(情報システム部)とは?初心者にもわかりやすく解説
情シスとは会社のすべてのIT環境を担い、事業活動を円滑に進めるための専門家です。主な業務内容は、下記のように多岐にわたります。
業務の種類 | 概要 |
---|---|
会社の土台を作る | サーバーや社内Wi-FiといったITインフラの整備・管理 |
会社の安全を守る | 情報セキュリティ対策の強化 |
会社の成長を加速させる | ITツールを導入し、業務をより効率的にするための企画 |
情シスとよく混同されやすいのが社内SEです。社内SEは、特定のシステム開発を専門とするエンジニアです。一方、情シスはIT環境全体を幅広く見る部門とイメージするとわかりやすいでしょう。
とくに中小企業では、上記の役割を1人(ひとり情シス)や他業務との兼任(兼任情シス)で担うケースが少なくありません。
情シスの仕事内容とは?押さえておきたい4つの役割
情シスの仕事は、会社の未来を考えるIT戦略から、日々の業務を支えるインフラ管理やシステム運用まで多岐にわたります。下記4つに分けて具体的に解説しますので、ひとつずつ見ていきましょう。
- 会社のIT方針を考える「IT戦略の企画・立案」
- ネットワークや機器を整備する「社内インフラの管理」
- 業務効率を高める「業務システムの開発・運用」
- パソコンやシステムの「トラブル対応・サポート業務」
1.会社のIT方針を考える「IT戦略の企画・立案」
IT戦略の企画・立案とは、会社の経営目標を達成するために「ITをどう戦略的に使うか?」を考える仕事です。
行き当たりばったりでIT機器を導入するだけでは、無駄なコストになる一方です。経営層や各部署と連携し、「売上を伸ばすためにこのツールを導入しよう」など事業成長に貢献する計画を立てます。そうすることで、ITは単なる経費から未来への投資に変わります。
そのため、自部署や身の回りで「この作業、ITでさらに楽にできないかな?」と思うことを探し、改善提案書を1枚作成してみましょう。大切なのは、その提案をきっかけに経営層とIT戦略について対話を始めることです。
2.ネットワークや機器を整備する「社内インフラの管理」
社内インフラの管理は、従業員が安全かつ快適に仕事をするための土台を築く仕事です。
具体的にはWi-Fiなどのネットワーク、業務データが入ったサーバー、従業員が使うPCなどを安定して動かし続けます。インフラが不安定では、業務が頻繁に止まったり、ウイルス感染の危険に晒されたりするおそれがあるためです。
社内インフラの管理の例は、以下の通りです。
- オフィスのネットワークを設計する
- サーバーを構築する
- ファイアウォールなどのセキュリティ機器を運用する
もし、あなたが着任したばかりで何から手をつければよいかわからないなら、現状把握からはじめましょう。
具体的には「IT資産管理台帳(社内のPCやソフトウェアの一覧表)」と「ネットワーク構成図(社内LANの地図)」の作成がおすすめです。この2つはIT資産の全体像を可視化する基本ドキュメントになるため、セキュリティリスクの洗い出しや、将来のIT計画を立てるうえで役立ちます。
3.業務効率を高める「業務システムの開発・運用」
会社の業務を効率化する仕組みを作り、その仕組みが日々安定して動くように守るのが、業務システムの開発と運用です。
情シスが担う開発業務は、以下が中心となります。
- 表計算ソフトなどで業務改善のためのツールを作成する
- 既存システムを改善する
- ノーコードツール(専門知識なしでウェブアプリを開発するツール)などで業務アプリを構築する
一方、開発されたシステムや従業員が日々使うIT環境を安定稼働させ、業務が滞らないようにするのが運用です。たとえば、下記の業務があります。
- 新入社員がすぐ仕事に取りかかれるように、PCを初期設定(キッティング)する
- 各種システムのID・パスワードを発行する
- 万が一のためにデータのバックアップをとる
開発したツールの仕様や、日々の運用手順は、特定の担当者しか知らない状況に陥りがちです。誰が見てもわかるように簡単なマニュアルにまとめておくことが、将来のトラブルを防ぎ、安定したシステム運用につながります。
4.パソコンやシステムの「トラブル対応・サポート業務」
従業員からのあらゆるITに関する悩み・質問を解決するのが、トラブル対応・サポート業務です。
従業員が「Wi-Fiにつながらない」「パスワードを忘れた」といった問題で長時間悩むと、会社全体の生産性が下がります。迅速なサポートによって従業員のストレスを減らし、安心して働ける環境を作れるでしょう。
また、従業員から寄せられる問い合わせは、社内のITリテラシーのレベルや、より大きなシステム障害の予兆を把握するための情報源になります。
弊社(株式会社SmartHR)の2024年の調査によると、情シス担当者が最も時間を費やしている業務は「ID・パスワードの発行・管理」や「社内の問合せ対応(端末・ツール関連)」でした。
問い合わせ対応を効率化するには、よくある質問とその回答をまとめたFAQ(よくある質問集)を作成して、社内ポータルなどで共有するのがおすすめです。同じ質問に何度も答える手間が減り、より重要な業務に時間を使えます。
情シスによくある4つの体制と特徴
情シスの体制は、会社の規模や成長フェーズによってさまざまです。ここでは、代表的な4つの体制とそれぞれの特徴、課題を乗り越えるヒントを紹介します。
- 1人で担当している(ひとり情シス)
- 他部門と兼任している(兼任情シス)
- 複数人で担当している(チーム情シス)
- 子会社として独立している(子会社情シス)
1.1人で担当している(ひとり情シス)
ひとり情シスとは、社内のIT関連業務のすべてを1人で担当する体制です。
SmartHRの調査では、ひとり情シスが全体の約1割、「2~4人」の少人数体制の企業が約4割を占めることがわかりました。
とくに設立間もない企業でコストを抑えるために、ひとり情シスが採用される傾向にあります。しかし、ヘルプデスクやサーバー管理など、すべての責任と作業が集中するため、担当者が倒れると会社のIT機能が停止しかねません。
属人化を防ぐためには、すべてを自分一人でやろうとしない意識をもつことが重要です。PCの初期設定のような定型業務はマニュアル化し、サーバー監視のような専門性が高い業務は外部の専門家に任せることを検討しましょう。
2.他部門と兼任している(兼任情シス)
総務や経理、人事といった他部門の従業員が、本来の業務と並行して情シス業務を担う体制が、兼任情シスです。
弊社(株式会社SmartHR)の調査では、情シス業務とバックオフィス業務を兼務している人は3割以上にのぼり、IT専任の担当者がいない企業が多いことがわかりました。
兼任情シスの場合、IT業務は本業の合間に対応するため、後回しになる傾向にあります。また、IT業務に時間を割いても、業務の性質上成果が見えにくく、頑張りが評価されにくいのは切実な課題です。
この状況を乗り切るには、IT業務の見える化が重要になります。IT関連の問い合わせ件数や対応時間、改善による工数削減効果などを具体的な数字で記録し、上長に報告しましょう。
また、あらかじめ上長と「IT担当として、やること・やらないこと」の業務範囲を明確に合意しておきましょう。際限なく業務が増えるのを防げるため、心身の負担をコントロールできます。
3.複数人で担当している(チーム情シス)
企業の成長に伴いIT業務が複雑化すると、専任チームで分担するチーム情シスの体制へ移行します。インフラ担当やヘルプデスク担当のように役割分担することで、より専門的で安定したIT運用が可能です。担当者が休暇を取っても業務が止まらないため、属人化のリスクも低減できます。
チーム情シスにおける課題は、チーム内の連携です。各担当者が孤立しないよう、下記を実施し、チームのパフォーマンスを最大化することが、成功のポイントです。
- 共有のタスク管理ツールを導入する
- 定期的なミーティングで情報共有を徹底する
4.子会社として独立している(子会社情シス)
主に大企業で見られるのが、情シスをひとつの会社として独立させる体制です。親会社に対し、専門的なITサービスを提供するプロ集団となります。
子会社化の目的は、情シスにかかるコストを明確化し、サービスの品質をSLA(サービスの品質を保証する契約)で定義することです。定義することで、直接的な利益を生まない管理部門から、外部にもサービスを提供して利益を生む部門への転換を目指します。
情シスに求められる4つのスキル・知識
情シスとして活躍するには、専門知識とコミュニケーション力の両方が必要です。下記4つの観点で、順番に見ていきましょう。
- IT全般の基礎知識
- トラブルを防ぐためのセキュリティの知識
- 調整役としての伝える力・まとめる力
- IT施策を社内に伝えるためのプレゼンスキル
1.IT全般の基礎知識
情シスにはネットワークやサーバー、セキュリティといったITの各分野に関する知識が欠かせません。基礎知識がなければ、問題の原因特定や解決策の検討、適切な製品・サービスの選定が困難になります。
IT知識に不安がある方は、次のような資格の学習からはじめるのがおすすめです。
資格 | 概要 |
---|---|
ITパスポート試験 | ・IT系国家資格の入門レベル |
基本情報技術者試験 | ・ITエンジニアの登竜門レベル |
上記はITの基礎知識を体系的に網羅している資格です。効率よく基礎の土台を固められるうえ、スキルの証明にもなります。
2.トラブルを防ぐためのセキュリティの知識
現代の情シスにとって、セキュリティの知識は、会社の重要な情報資産と事業を守るための必須スキルです。情シスが正しい知識をもつことで、ウイルス感染や情報漏えいなどの脅威から会社を保護し、社会的信用を維持できます。
具体的には、下記のセキュリティ知識が必要です。
- ウイルス対策ソフトやファイアウォールの適切な設定方法
- 退職者アカウントの迅速な削除プロセスの構築方法
- フィッシング詐欺などの手口と対策方法
まずはIPA(情報処理推進機構)が公開している「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」内の、「5分でできる!情報セキュリティ自社診断」を実施しましょう。簡単な質問に答えるだけで、自社のセキュリティレベルや優先的に取り組むべき課題を把握できます。
3.調整役としての伝える力・まとめる力
情シスに必要なソフトスキルは、技術的な内容をわかりやすく伝えつつ、関係者の意見をまとめるコミュニケーション能力です。
IT部門は経営層や現場従業員、外部ベンダーの橋渡し役です。IT知識のない従業員の要望を正確にヒアリングし、技術的な要件に落とし込んでベンダーに伝えます。ベンダーからの専門的な報告を、経営層が理解できる言葉で説明できなければ、プロジェクトは円滑に進まないでしょう。
たとえば、下記のスキルが一例です。
- 従業員からの「PCが遅い」という曖昧な相談から原因を特定する
- 会議の議事録をわかりやすくドキュメント化して共有する
常に相手の立場を意識してやり取りを記録に残せば、認識のズレを防いで、スムーズに連携しやすくなります。
4.IT施策を社内に伝えるためのプレゼンスキル
プレゼンスキルは、企画したIT施策案について、必要性と価値を経営層や関連部署に伝えて承認してもらうために必要です。
どれだけ優れた施策案でも、相手に伝わらなければ絵に描いた餅になります。大切なのは施策の必要性や会社へのメリットを、筋道立ててわかりやすく説明し、納得してもらうことです。
そのため、提案の際は技術的な特徴ではなく、ビジネス上のメリットを中心にしましょう。「このクラウドサービスを導入すれば、月間で〇〇時間の工数を削減し、年間〇〇万円のコスト削減が見込めます」といった形で伝えます。
経営層が決裁の判断材料として重視するコスト削減や生産性向上への貢献度を、具体的な数字で語ることが大切です。
情シスが抱えやすい4つの課題
ここでは、多くの情シス担当者を悩ませる下記4つの課題とその対策を解説します。
- 業務範囲が広いため長時間労働になりやすい
- 属人化によって引き継ぎや運用が難しい
- 部署の予算が少なく最新技術を導入しにくい
- 成果が見えにくいため社内での評価が低い
1.業務範囲が広いため長時間労働になりやすい
情シスはITの何でも屋として扱われ、業務範囲が曖昧になりがちです。その結果、計画外の緊急対応に追われて、長時間労働に陥りやすい深刻な課題があります。
弊社(株式会社SmartHR)の情シスへの調査によると、1か月あたりの残業時間が「20時間以上」が34%を占めました。また決裁層の32%が「昨年より残業が増えた」と回答しており、情シスの業務負担が増え続けていることがわかります。
情シスでは日々のシステム保守に加え、従業員からの問い合わせが時間を選ばず発生します。そのため、本来力を入れるべきセキュリティ対策や業務改善といった未来への投資が後回しになりがちです。
悪循環から抜け出すには、担当業務をすべて書き出し、自分でやるべきことと外部に任せられることの切り分けが大切です。
2.属人化によって引き継ぎや運用が難しい
特定の担当者しか業務内容やシステムの仕様を把握していない属人化は、経営上の大きなリスクになります。
日々の業務に追われる中小企業の情シスでは、マニュアルを作る時間もなく、「あの人に聞けばわかる」という状態に陥りがちです。たとえば、下記のような状況が一例です。
- サーバーのパスワードを担当者しか知らない
- トラブル対応の手順が担当者の頭のなかにしかない
上記を解決するには、徹底したマニュアル化と情報共有が必要になります。ツールの設定方法や障害対応の記録などを、社内の共有フォルダやWikiに残しておきましょう。備忘録にもなるうえ、将来の自分や後任者の負担を大きく減らせます。
3.部署の予算が少なく最新技術を導入しにくい
情シスは、直接的な利益を生まない管理部門と見なされがちです。そのため、下記のように十分なIT予算の確保が難しく、システムの老朽化やセキュリティリスクの増大につながりかねません。
- 便利なツールを導入したいが、月額費用を理由に却下される
- セキュリティ強化の提案が、また今度と後回しにされる
主な原因は、IT投資の重要性や費用対効果が、経営層に十分に伝わっていないことです。提案の際にコストではなく、投資として語る視点を持ちましょう。
4.成果が見えにくいため社内での評価が低い
情シスの仕事は「システムが動いていて当たり前」と思われがちです。トラブルを未然に防ぐ地道な努力や日々の貢献が、社内の人からは目に見えにくい傾向にあります。
一方で、トラブルが起きれば事業への影響が大きいため、マイナスの評価を受けてしまいます。たとえば、深夜にメンテナンスをして大きな障害を防いだとしても、努力が誰にも知られず、何をしているかわからない部署と思われかねません。
この課題の解決策は、積極的な業務の見える化です。週報や月報で実績を数値で報告し、部署の価値と貢献度を社内に伝えていきましょう。
情シスの負担を減らす2つの方法
広すぎる業務範囲や日々の問い合わせ対応に追われる状況は、できるだけ改善したいものです。情シスの負担を減らすために、効果的な方法を2つ紹介します。
- 業務の一部を外部に委託する
- ツールを導入して負荷を軽減する
1.業務の一部を外部に委託する
時間や人手が限られた状況ですべてを内製すると、サービスの質が落ち、情シス担当者が疲弊してしまいます。定型業務や高度な専門知識が必要な業務は、外部の専門業者への委託を検討しましょう。委託することで、人材育成など中長期的な取り組みに集中できます。
実際に弊社(株式会社SmartHR)の調査では、情シス担当者が「社内のDX戦略・IT戦略の策定」や「社内DX人材の育成」に時間を割けていない実態が明らかになっています。
また、専門性の高い業務を外部に委託することで、自社の弱点を補いながら事業成長につなげられます。株式会社バッファローの調査結果によると、外部委託している情シス業務として「サーバー構築」「ネットワーク構築」が上位を占めました。
そのため自社に専門家がいない場合、サーバー管理やセキュリティ対策といった高度な業務から外部委託を検討するのがおすすめです。まずは複数の業者から話を聞いて、サービス内容や費用を比較してみましょう。
2.ツールを導入して負荷を軽減する
手作業による管理や場当たり的な対応は、積極的にツールを活用して効率化しましょう。情シスの業務負荷が軽くなるだけではなく、作業ミスも削減しやすくなります。より迅速で正確な対応が可能なため、全従業員の生産性向上にもつながりやすいです。
具体的には、下記のようなツールがあります。
ツールの種類 | 概要 |
---|---|
ID・アクセス管理ツール | 各システムへのログイン情報(ID・パスワード)と利用権限を、一元的に管理できる |
IT資産管理ツール | 社内のPCやソフトウェアライセンスなどのIT資産を台帳で管理し、誰が何を使っているかを正確に把握できる |
SaaS管理ツール | 社内で利用されている複数のクラウドサービス(SaaS)の契約状況やコスト、アカウントを一元的に可視化できる |
ヘルプデスク・チケット管理ツール | 従業員からのITに関する問い合わせを一元的に受け付け、対応状況を管理・記録できる |
業務自動化ツール | データ入力や定型メールの送信など、PC上の単純な繰り返し作業をロボットに代行させられる |
まずは、何度も同じ作業を繰り返している業務がないか探しましょう。そのうえで無料トライアルなどを活用して、費用対効果を見極めながらツール導入を検討してみてください。
なお、SaaSアカウントや従業員のID情報の管理に課題を感じている場合は、SmartHRのID管理やIdP(Identity Provider/アイデンティティプロバイダー)もおすすめです。従業員データと各種アカウントを紐づけて一元管理できるため、入退社時のアカウント発行・削除を効率化し、情シスの負担軽減とセキュリティ強化を両立できます。

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すぐにわかるSmartHR情シス機能紹介2点セット
この資料でこんなことが分かります
- 企業が直面するSaaS運営上の課題
- SmartHRの「ID管理」とは?
- SmartHRの「シングルサインオン(IdP機能)」とは?
- 便利な機能と導入による効果
情シスが社内評価をアップさせる3つのポイント
日々の負担を減らしたら、次は社内評価を高めるステップです。「ありがとう」と言われる存在になるには、積極的な行動が鍵を握ります。
ここでは、情シスの社内評価を上げる3つのポイントを紹介します。
- 成果を見える化して社内に発信する
- 従業員のIT理解を深める研修を実施する
- 他部署へのヒアリングや業務理解を積極的に行なう
1.成果を見える化して社内に発信する
情シスの仕事の成果を具体的な数値や資料として見える化し、定期的に社内へ発信しましょう。何をしているかわからないという印象を払拭し、部署の価値を理解してもらうには、活動内容のアピールが欠かせません。
成果を見える化する方法は、下記があります。
- 週報や月報で、実績を数値で報告する(例:問い合わせ対応〇件、PCセットアップ〇台)
- IT資産管理台帳を共有し、コスト管理への貢献を示す
まずは簡単な月報作成からはじめ、客観的な事実と数値での報告を心がけましょう。
2.従業員のIT理解を深める研修を実施する
新入社員向けや全社向けのIT研修を、定期的に実施しましょう。
従業員が初歩的なトラブルを自己解決できるようになれば、不要な問い合わせは自然と減少します。セキュリティ研修などを通じて会社全体のリスク低減に貢献すると、情シス部門の専門性と存在価値も示せます。
具体的には、以下のような研修が一例です。
- 新入社員に社内システムの基本操作を教える
- 全社向けに、よく使うツールの便利な使い方(Tips)を紹介する
まずは「よくある質問トップ5」をテーマにした15分程度の短い説明会や、簡単なマニュアルの配布から着手してみましょう。
3.他部署へのヒアリングや業務理解を積極的に行なう
本当に役立つITソリューションは、現場の業務や課題を深く理解してはじめて提案できます。現場の課題解決に直接貢献することで、情シスはコストがかかる部署から、事業成長に欠かせないビジネスパートナーへと評価を変えられます。
たとえば、次のようにヒアリングしてみましょう。
- 営業部に「外出先でのIT利用で不便な点はありませんか?」と聞いてみる
- 経理部に「毎月のこの手作業を自動化できるかもしれません」と声をかける
まずは気軽にコミュニケーションをとって、IT関連の悩みを聞き出すことが、情シスの評価を変えるきっかけになります。
情シスに関するよくある質問
情シスに関して、多くの担当者の方が疑問に思う点をQ&A形式で紹介します。
- 情シスに配属されたら取るべき資格は?
- 情シス業務を外注するときの費用相場は?
情シスに配属されたら取るべき資格は?
国家資格であるITパスポート試験の取得がおすすめです。情シスの業務は幅広いため、特定の高度な専門資格よりも、IT全体の土台となる体系的な知識が重要になります。
ある程度IT知識がある場合は、基本情報技術者試験の取得も検討してみましょう。
情シス業務を外注するときの費用相場は?
あくまで目安ですが、下記が情シス業務を外注する際の費用相場です。
サポート内容 | 費用相場 |
---|---|
社内ヘルプデスク | 5万~100万円/月 |
テクニカルサポート | 10万~150万円/月 |
費用は以下の要素で大きく変動します。
- 委託する業務範囲(例:問い合わせ対応のみか、サーバー監視も含むか)
- 求めるサービスレベル(例:応答時間、解決時間の保証)
- 対応時間(例:平日日中のみか、24時間365日か)
- 対応方法(例:リモートのみか、現地対応か)
正確な費用を知るために、複数の専門業者に見積もりを依頼しましょう。自社が「何に困っていて、何を解決してほしいのか」を明確に伝えることが大切です。
情シスの業務理解を深めて効率化を目指そう
本記事では、情シスの役割から具体的な仕事内容、多くの担当者が抱える課題と、その解決策を解説しました。
もし、ITの何でも屋として日々の業務に追われて悩んでいるなら、まずは仕事を見える化して、成果を数値で報告することからはじめてみましょう。
定型業務や専門性の高い業務は、ツールや外部委託で効率化するのがおすすめです。生まれた時間で経営に貢献する、攻めのIT活用に挑戦してみてください。この一連の取り組みが、情シスの働き方と社内での評価を大きく変えていくでしょう。
もし「SaaSのアカウント管理が煩雑で困っている」などの場合は、SmartHRでのID管理がおすすめです。SaaSアカウントを従業員データと紐づけて一元管理できるので、アカウントの棚卸しといった管理業務の負担を軽減できます。ぜひ以下の資料をダウンロードしてご活用ください。

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3分でわかる!SmartHRのID管理
この資料でこんなことが分かります
- 企業が直面するSaaS運営上の課題
- この課題、SmartHRの「ID管理」が解決します!
- SmartHRの「ID管理」とは?
- SmartHRの「ID管理」特徴
- ご利用イメージ

SmartHR コラム編集部
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