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公開日:2025/08/08

外国人従業員の入社手続き・雇用契約を「やさしい日本語」と多言語切り替え機能でサポート

目次

2025年6月よりSmartHRは「入社手続き・雇用契約機能」において、新たに「やさしい日本語」への対応を開始しました。「やさしい日本語」や、多言語切り替え機能を活用いただくことで、入社手続きにおける企業側の支援コストを削減し、従業員がスムーズに働き始められる環境の整備をサポートいたします。

本記事では、SmartHRの入社手続き・雇用契約機能における「やさしい日本語」を含む多言語切り替え機能の詳細と、その導入がもたらすメリット、具体的な活用方法をご紹介します。

入社手続きの「つまずき」をなくす重要性

  • 人事から送られてきたメールの内容が理解できず、手続きが進められない
  • 入社手続きに必要な書類や、提出方法が分からず、提出が遅れてしまう
  • 不明点を誰に、何と問い合わせればよいのか悩んで、放置してしまう

このような入社手続きの「つまずき」の背景には、主に2つの壁があります。

1つめは「言語」の壁です。入社手続きや必要書類には、普段あまり使わない専門用語が多く、日本人でも理解が難しいことがあります。近年は、外国人労働者の増加により、こうした「言葉の壁」がより大きな課題となっています。

2つめは「ITツール」の壁です。SmartHRのようなITツールを使った入社手続きは、デジタル機器に不慣れな高齢者の方や、業務上でパソコンを利用することが少ないノンデスクワーカーの方、働き始めの新卒入社の方にとっては、心理的な負担となりえます。本来は業務を効率化するためにあるITツールが、むしろ壁となってしまうケースも少なくありません

このような「壁」は、企業にとっても以下のような負担やリスクをはらんでいます。

  • 問い合わせ対応や、付きっきりでのサポートなどにより、担当者の負担が増加
  • 働き始めに不安が生じることで、新入社員のエンゲージメントや定着率が低下
  • 法令で定められた手続きや書類の取り交わしが完了できないまま、就労を開始してしまうコンプライアンスリスク

入社手続きに立ちはだかる壁を低くし、「つまずき」をなくすことは、従業員と企業双方にとってとても重要です。

簡単に使える「やさしい日本語」・多言語切り替えで、スムーズな入社手続きをサポート

SmartHRの「やさしい日本語」は、言語やITツールの壁を低くし、より多くの従業員がスムーズに手続きを進められるよう支援する機能です。

多言語対応の状況

SmartHRでは、現在以下の言語に対応しており、「やさしい日本語」もその中の1つに位置づけています。

  • 英語
  • 中国語(簡体)
  • 中国語(繁体)
  • 韓国語
  • ベトナム語
  • ポルトガル語(ブラジル)
  • インドネシア語
  • やさしい日本語

「やさしい日本語」とは

「やさしい日本語」とは、難しい言葉を簡単な言葉に言い換えたり、漢字にふりがなを振ったりするなど、読み手に配慮したわかりやすい日本語のことです。詳しくは、以下の記事をご参照ください。

企業にも、従業員にも。SmartHRの「やさしい日本語」と多言語切り替え機能がもたらすメリット

企業のメリット

  • すべてのプランで無料で利用可能:「やさしい日本語」を含む多言語切り替え機能は、追加費用なくご利用いただけます。
  • 人事・現場担当者の工数削減:従業員が自身で解決できる範囲が広がり、問い合わせ対応やハンズオンでのサポート業務工数を削減できます。
  • 手続きのスピードアップ:入社手続きがスムーズに進むことで、受け入れ計画を円滑に進行できます。
  • 管理の一元化:言語の壁から紙や別のシステムなどで個別対応していた従業員も、SmartHR上で一元管理が可能になります。
  • 定着率の向上:企業との最初の接点となる入社手続きの体験が向上することで、エンゲージメント、ひいては定着率の向上につながります。

コンプライアンスリスクの低減:必要な手続きを確実に完了できることで、法令違反のリスクを未然に防止します。

従業員のメリット

  • 母国語または理解しやすい言語での手続き:自分に適した言語を選べるため、ストレスなく手続きを進められます
  • 会社への信頼感の醸成:「この会社は自分たちのことを考えてくれている」という実感が、会社へのエンゲージメント向上につながります。
  • 日本での就労に対する不安軽減:入社手続きがスムーズに完了することで、「この会社でうまくやっていけそう」という安心感につながります。
  • スムーズな就労開始による経済的な安定:予定通りに就労できるため、日本での生活を安定して始められます。
  • 自信を持って手続きを完了できる:「自分ひとりでできた」という成功体験は、新しい就業生活への自信にもつながります。

「やさしい日本語」・多言語切り替えの設定方法と活用のポイント

最初の設定方法

最初に管理者側での設定が完了したあとは、すべてのユーザーがご自身で表示言語を選択できます。

管理者・担当者での設定

まず管理者・担当者は、[共通設定]>[全般設定]>[多言語設定]から[多言語表示を有効にする]にチェックを入れます。これにより、企業アカウント内のすべてのアカウントで、入社手続き画面に言語選択アイコンが表示されるようになります。

従業員の設定

従業員は、画面に表示される言語選択アイコンから、「やさしい日本語」をはじめとした言語を選択できます。自分に適した表示言語で手続きを進められます。

入社手続きでの活用ポイント

招待メール

SmartHRでは、招待メールのフォーマットを追加できるため、必要な言語に対応したフォーマットを用意できます。これにより、最初の接点から従業員が理解しやすい言語でコミュニケーションを取ることが可能です。

フォーム入力時

従業員が自分で表示言語を変更できます。入力途中に分からない項目があった場合には、言語表示を切り替えて確認しながら入力できます。

書類提出時のガイダンス

同様に、従業員が自分で表示言語を変更できます。必要書類の説明や提出方法の案内を、理解しやすい言語で確認しながら手続きを進められます。

雇用契約締結での活用ポイント

SmartHRの有料オプション機能である「文書配付機能」を使用した雇用契約締結においても、多言語対応が活用できます。文書配付機能のすべての画面で、従業員が自分で表示言語を変更できます。

契約書の説明文

雇用契約書や労働条件通知書の内容説明を、従業員が理解しやすい言語で提供できます。法的な文書の内容を正確に理解してもらうことは、後のトラブル防止につながります。

電子サインの手順のガイダンス

電子契約に不慣れな従業員でも、自分の言語で手順を確認しながら契約締結を完了できます。

初回ログイン時の動画ガイダンス活用法

SmartHRをはじめて使う際のログイン方法を説明する動画は、「やさしい日本語」でもご用意しています。実際の画面操作を見ながら学べ、ITツールに不慣れな方にも分かりやすい内容になっていますので、ぜひご活用ください。

誰もがその人らしく働ける社会の実現に向けて

「やさしい日本語」を含むSmartHRの多言語対応は、単なる「言語の置き換え」ではなく、タスクをスムーズに完了できるかどうかという点に焦点を当てているのが特徴です。

例えば入社手続きでは、住民票の中から「世帯主」に関する情報を見つけ、記載されている内容をそのまま入力してもらうことが必要な場合があります。

「世帯主」を外国語に翻訳してしまうと、日本語の住民票のどこを見ればよいのかが分からなくなってしまいますので、「世帯主」という言葉自体は日本語のまま残して、外国語や「やさしい日本語」で説明を加えるといったように、どうすればこのタスクを完了できるのかという文脈に応じた調整をしています。

「やさしい日本語」を含む多言語化対応が目指すのは、日本語を母語としない方々を含め、誰もが使いやすい状態を実現することです。「誰もがその人らしく働ける社会をつくる」という、私たちのミッションを体現する重要な取り組みであり、今後もこの歩みを続けてまいります。

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SmartHR コラム編集部

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